組み直しの宇宙警察

 太古の読み物に出てくるような、ネクロマンサーの呪術のようにむくろを組み直して兵士に変える、というような真似はできない。

 核の炎で粉砕されたゼート・Dー959の宇宙警察・ステーションはやはりそのままだ。

 そこは破壊から二週間以上が経てば、もはやジャンク屋さえも近づかない、ただの廃墟はいきょである。

 アモルド・J・ノーランドもまた、ステーション内で奇跡的に生き残った人間や、周囲の僅かな生き残り艦船を引き連れて10AUほど離れた中規模の宇宙警察ステーションへと着港していた。

 ジレットは当たり前だが死亡。むしろステーションごと消滅していた。

 アモルドの艦船にはジレットが提供した『違法な』実験のデータがある。

 宇宙警察もまた、カプセルドの技術その他を手に入れたようなものだった。

 忌々いまいましいノア社の、忌々しい技術ではあるが有用ならば利用するのみというのが上の意向だ。

 白羽の矢が立ったのは、やはりというかアモルドだった。

 十分に安全な処置が出来る、という話でアモルドはカプセルド・パイロットの任務を引き受けることになったのだ。

 手術自体は無痛で、術後は背部に違和感があったものの大きな問題はないようだった。

 カプセルに入り込み彼は新鋭艦に接続コネクトした。

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