壊滅、ゼート・Dー959

 『カプセルド・パイロット』たちの技量は凄まじかった。

 それにノア社の最新技術テクノロジーが加われば、月並みな表現だが――鬼に金棒だ。

 ゼート・Dー959の宇宙警察・ステーションに狙いを定めた500人のカプセルドたちは、揃って核レールガンを撃ち込んだ。

 大規模戦闘中ということもあり、ステーション本体への核攻撃は電磁障壁により防がれるが、ステーション周辺の艦船などに攻撃を加えて損害を出すことには成功した。

「一次攻撃、成功」

「まあまあ、だな」

「ステーション本体から迎撃艦が発進する瞬間を狙え」

「それよりも核ミサイルだ。当たるなよ」

 勝手気ままに、カプセルドたちがそう感想や、次の攻撃方針を述べていく。

 カプセルドたちが搭乗している戦闘艦は、基本的にクローク装置とバリアを展開している。

 この装置の展開中は、周辺の確認は追随ついずいする同軸どうじくドローンからの送信情報任せになる。

 照準波などを使って照準を正確に定めるときなどは装置を解除する必要があるのだが、大きな弱点にはならないはずだった。

 宇宙警察のステーションから迎撃用ミサイルと迎撃用艦船が発進するが、そこがまさにカプセルドたちが狙っていた瞬間だった。

 ステーションの電磁防壁の隙間を縫って、核砲弾が着弾。

 ゼート・D―959の宇宙警察に大打撃を与えたのだ。

 反撃の姿勢を崩され、さらにこの被弾により電磁防壁が思うように機能しなくなった。

 さらに見えざるカプセルドたちの追撃が行われる。

 ステーションは、核の炎に飲み込まれた。

 宇宙警察の一大ステーションは、ノア社とアビスの手によって壊滅させられたのだ。

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