エピローグ 時間差会議

「ジレットはジレットで、独自に動いていたようだな。

 君たちと同程度には」

 ノア・テクノロジーズの社長はそう言った。

 ノア社は民主主義的な組織運営をしている。

 社長の力は大きいが、彼自身も絶対的な権力者ではなく、ネットワーク形式に権限を分散している。

 結果、とかげの尻尾切りはひどく用意で銀の銃弾シルバー・バレット的な何かが機能することはない。

「宇宙警察の介入が証左しょうさでしょうね」

 アビスが時間差会議でそう応じる。

「宇宙警察に握られて悪い手札を、ジレットはどれくらい持っていたのかしら。

 武力介入される可能性は?」

 マルドが疑念の声を上げた。

「問題が起きれば、こちらからも交渉できる」

 社長はそう明言した。

 その後、アビスには社長から直通のコンタクトが来た。

 秘匿性の高い回線である。

「君には幾つか指令を出したい。

 十分な見返りは用意できる」

 そう社長は伝えてきた。

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