宇宙警察
宇宙警察、ないし銀河警察などと呼ばれる者たちが居る。
国家という組織がほぼ形骸化するか、滅んで久しい。
宇宙には武力に経済力などがそのまま法律となっているが、唯一と言っていい例外がこの宇宙警察だった。
無法地帯と化した宇宙での治安、ひいては人々の命や財産を守るべく結成された自治組織である。
核兵器を始めとする技術に法律という名の規制をかけ、現物の武力で違反者を取り締まってきた。
その一員、アモルド・J・ノーランドは粉砕されたステーションの残骸に向かって
この広く深い宇宙にも、宗教の自由はある。
アモルドは二〇代半ばの、若い金髪・
定時の運動と調整剤の投与により、非常に引き締まった
アモルドたちを載せた中型司令艦が周辺の宙域を警戒する。
ステーションを管理していた企業にデータ上でも聴取をすべく、アモルドの上層部は連絡をして返信を待っていた。
上からの入電によると、その企業『ノア・テクノロジーズ』は今回の件は遺憾としながらも、警察の介入は拒否する
アモルドは義務のような憤怒でもって言葉を発した。
「強制捜査は可能でしょうか」
「そう血気ばむな。若いの」
原始的な黒い指揮棒を持った宇宙警察の現地指揮官の大佐(宇宙警察は軍隊の階級を主に使用している)がアモルドを軽く制した。
「ノア・テクノロジーズは規模こそ大きくはないものの、高い技術力を誇る企業だ。自衛力もある」
「自衛できてないから、この有り様では?」
アモルドの露骨な言い草だったが、大佐は特に気分を害した様子などは見せない。
「防衛ミサイルにレーザーは十分に機能していた。敵の規模が問題だったのだよ。
君の敵は、攻撃を受けた企業なのかね?」
「……いえ、違います」
「私の管轄内での自由行動を認める。すなわち、ここから周辺3AUほどのな。
艦船も必要なものを用意させる。すなわち、戦闘艦だ」
「了解しました!!」
アモルドは歓喜した。
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