第143話 クリスマスプレゼント その1
しばらくすると、部屋のドアがそろりと開く。
「こんばんは……」
鈴音さんはパジャマの上に、水色系の羽織物を着て、部屋に来てくれた!
「鈴音さん! すいません///」
「こんな時間に…、呼び出してしまいまして///」
「いえ…。今日はイブですからね♪」
「けど……あちらの方はダメですからね♪」
鈴音さんは、事前に用意して置いたクッションに腰を下ろす。
鈴音さんはクリスマスプレゼントを貰えると期待しているが、俺の物にリボンを付けて『鈴音さん! 僕の物をクリスマスプレゼント♪』と言ったらどう成るのだろうか?
試しに言って見るか…!?
「鈴音さん……もし、僕の物がクリスマスプレゼントでしたらどうしますか?」
「貰ってくれますか…?///」
(うぁ! 勢いで言ってしまった///)
「えっ…!?」
「本当に、そう言っているのですか。比叡さん!//////」
「……」
俺はここでワザと無言に成る。
鈴音さんの反応を見てみたいからだ!
「……じゃあ、イブの記念にはさみで切って、比叡さんの物を頂きます!」
「比叡さん! 大きなはさみは此処に有りますか♪」
鈴音さんは、凄く嬉しそうな声を上げて、物騒な事を言い始める!?
俺の予想とは全然違うぞ!?
俺の中ではてっきり……
……
『比叡さんは不潔です///』
『比叡さん!』
「なら、私も初めてを比叡さんにプレゼントします❤』
位の事かなと思っていたが、斜め上の結果が来た!?
「比叡さん! ……無いのですか♪」
「なら、私の部屋に、大きなカッターナイフが有りますので、取ってきますね♪」
「切れ味は良いですから、そんなに痛くは無いはずです♪」
鈴音さんはそう言って、クッションから立ち上がる!
これは、幾ら何でも冗談が過ぎたか!?
「すっ、鈴音さん! ごめんなさい///」
「冗談です!! 俺にそんな度胸が有ると思いますか!?」
「……♪」
「……ふぅ~」
鈴音さんは少し疲れた表情をして、クッションに座り直す。
「……比叡さん。もし本当でしたら、冗談抜きで切ってましたよ…」
「そして、稀子さんにプレゼントしていました。元彼の物として……」
鈴音さんはジト目をして、恐ろしい事を発言する!?
それに何で、稀子に上げてしまう!!?
「比叡さんが、大袈裟な事が出来ないのは、私はもう知っています!」
「出会った時から含めれば、もうすぐ1年に成りますしね!」
鈴音さんは何時もの口調に戻る。良かった……
「もぅ、そんなに時が経つのですね…」
「ですねぇ~~。この間に、本当に色々な事が有りました!」
鈴音さんは何処か遠くを見つめながら言う。
まだ、二十歳にも満たない少女に、こんな激動な人生を歩ませて良いのだろうか!?
その原因は俺なんだが……
「鈴音さん…。気を取り直して、クリスマスプレゼントです…」
俺は包装された、長方形の箱を鈴音さんに手渡す。
「……ありがとうございます///」
「比叡さんの物で無くて、本当に良かったです♪」
「嬉しい~~♪」
「……開けてみても、良いですか?」
「はい! 是非!!」
鈴音さんは綺麗に包装紙を剥がしていく。この辺がやはり鈴音さんだ!
綺麗に包装紙を剥がした後……鈴音さんは、ゆっくりと長方形の箱を開ける……
「!!」
「雪の結晶をモチーフにした、シルバーペンダントですか!」
「はい。鈴音さんに、似合いそうな感じがしまして……」
すると……鈴音さんは早速、ペンダントを付けてくれる。
「比叡さん…。似合いますか❤」
鈴音さんは頬を染めながら、恥ずかしそうに言う!
パジャマ姿に羽織物だが、不思議と鈴音さんに似合っていた。
「比叡さん。クリスマスプレゼントありがとうございます❤」
鈴音さんは座ったまま、俺に近づきキスをしてくれる。
『チュッ❤』
「鈴音さん。大好きです!」
「比叡さん…❤」
俺と鈴音さんは、ディープキスをする。
約一ヶ月ぶりのディープキスだ!!
聖なる夜だから、聖なる行為をしたいに決まっているが、俺は先ほどの事が思い出される。
(ここで、性行為に及ぼうとしたら、やっぱりはさみで切られるのかな?)
俺は少し不吉な事を思いながら、鈴音さんとディープキスをしているが、プレゼントを貰えた事により気が緩んだのか、鈴音さんのガードは何時もより甘かった!
(これは、チャンス!)
(し○み、チャンスだ!!)
俺は鈴音さんの体を左手で支えながら、右手で鈴音さんの胸元に手を触れて、鈴音さんの様子を覗う……
「…やっぱり、比叡さんはスケベですね!///」
鈴音さんは口ではそう言うが、笑っていた。
俺はパジャマの上だけど、鈴音さんの胸を……軽く揉んでみる。
「んっ……」
鈴音さんは少し、甘い声を出す❤
(わっ! 柔らかい!!)
(膨らみは控えめだけど……さわり心地が凄く言い!!)
(けど……この体勢では無理が有るな!)
この体勢では無理が有るので、体勢を変えようとした所……
『クッシュン!』
扉向こうから、何故かくしゃみが聞こえてきた!?
「!!!」
「!!!」
俺と鈴音さんはその音で仰天して、折角良いムードに水を差されてしまったが、犯人の察しは付く。
頭の黒い鼠が、聞き耳を立てていたようだ!
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