第100話 甘い時間……
「鈴音さん…」
「はい!」
「どうしました、比叡さん?」
「あの……鈴音さんを、もう一度抱かせて下さい…」
「今の状況では心が落ち着かなくて、とても休めません…」
「えっ…?」
「わたしを抱きたい!?」
鈴音さんは、本当に困った表情をするが……静かに呟く。
「比叡さん……。本当に抱くだけですよ…」
「それ以外の事はしませんから……」
「それに、私と比叡さんの関係は、世間上では不倫関係です…」
鈴音さんの言う通りだが、鈴音さんは別れる決意をしているし、鈴音さんと山本さんは結婚をしていない。
痴情のもつれは事実だが、法律上では問題無い!
「大丈夫です///」
「俺は、そこまで馬鹿では有りません!」
「鈴音さん~!!」
俺は直ぐに鈴音さんに駆け寄り、椅子に座っている状態で鈴音さんを抱く。
俺が立ったままでは上手に抱けないから、膝を折り曲げて、鈴音さんの胸元に顔を飛び込ませる!
「比叡さん///」
「ちょっと、胸はやり過ぎですよ///」
深夜の時間帯だけど…、鈴音さんは普通に声を上げる。周りの部屋に聞こえてるかな?
だけど…、心の不安を解消させるにはこれが一番効果で有る。鈴音さんも声は出したが、引き離そうとはしない。
鈴音さんの胸は稀子より控えめだが、それでも顔をぐりぐりさせると鈴音さんの胸の感触を楽しめてしまう!!
心なしか、鈴音さんの方は稀子より柔らかい感じがする。
稀子は張りが有るタイプで、鈴音さんはマシュマロタイプだろうか?
「鈴音さんの香りも好きです……。心が落ち着きます…」
鈴音さんの寝間着から香る、柔軟剤の匂いと鈴音さん自身の香り。寝間着はホテルのでは無く、鈴音さんが普段来ている寝間着を持って来ている。
心は落ち着いてくるが、欲望がマグマの様に出て来る……
「もぅ……比叡さんたっら…」
「孝明さんでも、こんな甘え方しませんでしたよ///」
(山本さんも鈴音さんを抱きしめているのか…。だけど、俺の鈴音さんだ!!)
口調は少し恥ずかしがっている鈴音さんだが、俺が顔を見上げると、恥ずかしながらも天使の微笑みを返してくれる。
調子の乗った俺は欲望が出てしまって、寝間着姿なのに、鈴音さんの胸中央に目がけて俺は吸い付く!
「比叡さん!!」
「そっ、それは幾ら何でも///」
鈴音さんは声を上げるが、まだ突き放そうとはしない。俺は今しか無いと思い、鈴音さんのに吸い付く!!
俺は寝間着の上から、鈴音さんの胸に吸い付いている。寝間着姿だが、鈴音さんの胸頂点は分かる!
「あっ、ダメ…。比叡さん……。吸っちゃダメ…」
「もぉ~~、うんっ///」
鈴音さんは感じているのか、色気の有る声を出し始める!!
俺は左の胸を吸い付いたまま、右の胸を手で優しく揉みほぐす……
「あっ///、あっ///、本当にダメ~~///」
鈴音さんの性感帯が胸なのか、甘えた声を出しまくる!?
今、此処に山本さんが突入してきたら、その場で絶対殺させる決まっているが、好きな女性との行為中なら、男としては本望だ!?
俺は本当に我慢出来なくて、鈴音さんの寝間着を捲ろうとするが……
鈴音さんも、これ以上は不味いと感じたのだろう。遂に両手で俺を押し出す!!
「本当にダメ~~~~///」
俺はそれによって、我に返る……
鈴音さんは顔を真っ赤にして、少し涙顔に成って俺を睨んでいた。
「はぁっ…、はぁっ…///」
「比叡さんも……男何ですね///」
「……孝明さんも、私をこうしたかったのかな…?」
山本さんの事を思って呟く鈴音さん……
どの様な意味で呟いたかは判らないけど、山本さんも鈴音さんを欲しがっていたには違いない筈だ……
(俺自身でもやり過ぎたな……。このまま別れくれると信じて行った行為だが、復縁された日には、俺は本当にこの世から消されるに決まっている)
「ごめん!! 鈴音さん!!」
「鈴音さんから、余りにも良い香りがしたから、我慢出来なくて……」
俺がそう言うと、鈴音さんは椅子から立ち上がる。
「それだけ元気でしたら、比叡さんが見張りをお願いします!」
鈴音さんは少し怒りながら言って、ベッドに潜り込んで、シーツで全体を覆ってしまう!?
「鈴音さん!」
「本当にごめん!!」
俺は鈴音さんのベッドに駆け寄って再度謝る。
鈴音さんはシーツから、顔をゆっくりと半分出す。
「今、私の胸元を触って確認しましたが、比叡さんの唾液が結構付着していました…」
「私を求めてくれるのは嬉しいのですが、一言確認を求めて下さい…」
「そうすれば、寝間着を捲り上げて、赤ちゃんの様に比叡さんも、私の胸でがもっと安心が出来たかも知れません……」
「でも、一言言われても、実際は出来ないですね…」
「比叡さんと体の関係を持って、孝明さんと別れ話をしたら、誰もが見ても比叡さんを悪者扱いにするでしょう……どんな理由にしても」
てっきり、怒ってしまった鈴音さんだと感じていたが、意外に恥ずかしがって居たのかも知れない……
鈴音さんは先ほどそう言ったが…、世の中
元々、山本さんが鈴音さんの希望を受け入れていれば、起きなかった事で有る!
それで隙が出来てしまって、稀子は山本さんに近づき、俺は鈴音さんに近づいた。
道徳上、問題は有るかも知れないが、鈴音さんは俺を意識してくれているし、俺も鈴音さんが好きだ!
稀子も山本さんが好きなのだから、純粋にカップル交換で、出来れば幕を閉じたい……
(う~ん)
(こう考えては何だが、自分勝手過ぎるか…)
(しかし、もう後には戻れない!!)
「比叡さん……」
「それだけ元気なら、大丈夫ですね……」
「はい!」
「鈴音お母さんの御陰で、気持ちが落ち着きました…」
「まだ、私はお母さんでは無いです!」
拗ねた口調で言う鈴音さん。
「では、俺が今から見張りをします」
「鈴音さん、ありがとうございます」
「大人の関係って…、こんな感じですかね///」
「比叡さん、眠気が来ましたら起こして下さい。代わりますから!」
「あっ、はい。お休みなさい」
「お休みなさい…」
鈴音さんは、普通の態勢に戻してから眠りに就き始め、俺は山本強襲対応のために見張りに徹する。
今の時刻は午前2時過ぎだが、本当に山本さんは来るのだろうか?
正夢には本当に成って欲しくは無いが、今後の対処も考えながら俺は見張りに徹した。
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