第84話 朱海蝲蛄 【山本】 その3
その頃の山本……
「クソッタレ!」
「あの、クソ自転車が」
僕は比叡と鈴音を逃がしてしまった……
若い
通行人が、馬鹿見たいに警察と救急車を呼んだから、その場から離れる訳には行かなく成った。
それが来るまでの間に稀子に電話をして、比叡と鈴音の写った写真データを、僕のスマートフォンに送信して貰う。
『どうして?』そんなの、少し考えれば分かるだろ!
しばらくすると、着信音が鳴る。稀子からの写真が届いたみたいだ。これで彼奴らを探しやすく成る。
僕が稀子と関係を深めたのは、稀子が好きだから関係を深めた訳では無い。
鈴音を追い詰めるためにやった……。鈴音の居場所無くして、俺に屈服させる事が目的だったが、比叡の奴に邪魔されてしまった。
彼奴が鈴音に興味が有るのは、鈴音を初めて会わした時に直ぐに勘づいたから、度々釘を刺したが……、鈴音の方が僕を裏切りやがった!
比叡を叩き出した事で、鈴音の母性本能が目覚めてしまって、駄目男を好き成る症状が発生してしまった。裕福育ちの世間知らずの女は、これだから駄目だ!
先ほどの電話で稀子の奴に、鈴音が何処に行ったか聞いて見たが『
稀子の馬鹿は、僕と関係を深くするために鈴音を捨てやがった。
僕は指示を出してないが、自らやりやがった!
稀子のあからさまな態度に気付いたのは、鈴音と口論をした翌日からだった……
僕には陽気で声を掛けるのに、鈴音には積極的に声を掛けず、更に鈴音に声を掛ける回数が明らかに減っているに、僕は気付いたからだ。
最初の内は鈴音が落ち込んで居るから、見守って居ると感じていたが、数日が過ぎても、稀子が鈴音に声を掛ける事は少なかった。
あの時に成ると本当に『おはよう!』、『お休み』位だった…。ずっと一緒に登園していたのが無く成り、学園からの帰宅も別々に成っていたので、僕は稀子に聞いて見たら『鈴ちゃんが元気になると、山本さんが取られる』と抜かしやがった!
鈴音を追い詰めるためだから、僕は都合が良かったが……、あの馬鹿は少しやり過ぎた。
『適当に距離を保て』と言ったのに、あの馬鹿は徹底的に距離を離しやがった。
比叡を潰して、鈴音との関係を強制的に修復したら、馬鹿女の実家に適当な理由を付けて、あの女を送り返してやる!
泣き喚くだろうが知った事では無い。仮に反論してきたら、ドスを利かせて脅し掛ければ、
殴れば更に効果的だが、今の時代は五月蠅すぎる。ガキは叩いて躾けるのが一番だ!
毎日、山を越えて、馬鹿は学園に通えば良い。どうせ今年で卒園だし出来るはずだ。
僕の鈴音を追い詰めすぎた、僕からのお返しだ!
鈴音も裏切られた親友とは、もう付き合いたくは無いだろうし、金魚の糞みたいに何時も来る稀子も
比叡を完全に破壊すれば、鈴音にも見せしめに成るだろうし、今後は二度、僕に刃向かわずに大人しく成る筈だ!
鈴音は賢いし器量も良いから、普通の社会人生活をすれば良い。
鈴音のか細い手を……、職人の手にはしたく無いから、
それも全て……あの男の所為だ。
あの男が稀子に声を掛けなければ、起きなかった事だ!
稀子の言葉を鵜呑みにして、この町に来て、大した努力もしないから保育士養成学校に落ちるのだ!
どうせ……、駄目男雰囲気を出して、鈴音を
彼奴を捕まえた時は…、二度と女に興味が持てない様に鋼管を使って顔面を潰し、発情しない様に精巣も潰し、自慰も出来ない様に彼奴の竿を、根元から裁ちばさみで切ってやるか! 竿を断ってやる!!
そうすると、長居(鉄工所)から材料を手配しないとな……
あの男だけは絶対許さない!
僕の鈴音を奪いやがって、
僕に刃向かった事を徹底的に後悔させて、無残の姿にして、残りの人生を楽しませてやる!!
僕はスマートフォンを取り出して、昔の仲間に連絡を取る。比叡は人望が無さそうだが僕には有る。
数時間で彼奴らの居場所を掴んで、比叡にお仕置きをしてやる!!
しばらくのコール音の後……懐かしい声がスマートフォンから響いた……
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