第8話 1.2日目①

「くそっ、どこいったんだよ!!」


「はぁはぁはぁ、、、説明してくれよ。なんで急にいなくなったんだよ!修斗!!」


大粒の雨が激しい音を立てて地面を叩き、霧のように飛沫をあげる中、走り続ける。


「お願い。翼と晴人、修斗のことを見つけて」


車の中で祈るの香奈の手には1枚の紙があった。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「車の置いてある家全然ないな」


車は探し始めた俺たちは、見つからないことに苛立ちを隠さずにいた。

1時間以上探しても一台もない。それどころか人っ子1人見つからない状態だ。


「とりあえず、一旦昼飯にしましょう」


屋根のあるところを探して持ってきたおにぎりを出し、昼食をとった。


「車全然ないね。みんなどこに行ったんだろう」


そんなことを話していると、突然翼が走り出した。


キキーッ、


「あぶねーな!急に出てくんな!」


車の中から怒鳴り声をあげてきたのは、30歳中盤ぐらいの強面の男性だった。


「ちょっとわりーけど車貸してくんねーか?」


走って翼の後を追いかけ修斗が、


「突然すいません。行きたいところがあるので車を貸してはいただけないでしょうか?」


「は、ふざけんな!なんでてめーらみたいなガキに...ん、ちょっと待てよ、そのおにぎりくれたら考えてやるよ」


どうやら男性はお腹が減っていたみたいだった。

そういうと、雨宿りしていた場所の隣に車を止め、一緒に昼食を取った。


「さっきは悪かったな。俺の名前は吉田一義って言うんだ。政治家だ。カズさんとでも呼んでくれ」


強面な顔とは裏腹に気さくで話しやすく、良い人であることが伝わってきた。


「あれ、そういえば修斗のお父さんと同じ仕事だよね」


「ええ。そーですよ」


「お、そーなのか。お父さんはなんて名前なんだ?」


「倉科誠司と言います」


「え、倉科さんにこんな大きなお子さんがいたのか!お父さんは今どこにいるんだ?」


「...さあ、家にいるんじゃないですかね」


「そうかそうか。倉科さんの息子ってことならお世話にもなってるし、車貸してあげるよ。それでどこに向かうんだい?」


「本当ですか!?ありがとうございます!天文学者の早乙女って人の研究所に向かおうと思ってます。今回のことについて何か知ってることがあると思うので」


カズさんの言葉に顔見合わせ喜ぶ俺たち。


「.....君たちには少し辛い話になるかもしれないけど、今回のことについておじさんが知ってることについて少し話してあげるよ」

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