第4話 1日目①

「おい、どこいくんだよ!」


「あんな人たちはほっときましょう」


「晴人!なにしてたの?心配したんだから」


学校に着くと校門の前で待っていたのは、幼馴染の香奈と、サッカー部のエースの吉岡翼と、生徒会長の倉科修斗だった。2人とは小学生の頃からの付き合いで昔はよく一緒に遊んでいた。


「ごめん、、他の人は?」


「あー、そのことなんだけどな」


「そのことについては僕の方からでいいかい」


そういって、修斗は学校に集まってから晴人が来るまでの内容を話し出した。


「つまり、テレビでの内容は本当のことでそれを受け入れられなかったのか、どーか知らねーがそれで他の奴らはどっか行っちまったよ」


最後に話をまとめて翼は苛立ちを隠さないでいた。集まっていたのは、他に5人ほどいたみたいだった。

修斗の父親は政治家で国の偉い人たちは衝突するかもしれないことを知っていたらしく、あの放送で衝突は免れないことを知ったらしい。

無理もない。いきなりそんなことを言われて信じれる方がどうかしている。


「このお堅い生徒会長様がそんな嘘つくはずもないのにな!そう思うだろ晴人」


「...」


「修斗が私たちに嘘ついたことなんてないもんね」


「そういえばみんな家族の方に連絡はしなくていいのですか」


「おばあちゃん家に行ってて、晴人に電話した後にかけてみたんだけど繋がらなかったの」


香奈は受験勉強があって行かなかったみたいだ。

少し泣きそうな顔をしたがすぐにいつもの表情に戻した。


「俺んちは、じいちゃんとばあちゃんはもう寝てるからテレビの放送は見てないぜ。それにこんな話をしたら悲しんじまうからな。俺たちでどうにかしようぜ」


翼の両親は小さい頃に事故で亡くなって、おじいちゃんとおばあちゃんに今は育ててもらっている。

翼はいつもで明るくて、みんなの輪の中心にいる。少しバカなところがあるがそれもみんなに愛されている理由の一つだ。


「僕もおかしいと思ったところがあるのでみんなでどうにかしようと思って集めました。」


「それで晴人の母さんはどうしてるの?」

 

「...死んだよ.....車に轢かれて死んだ」


「え」


「嘘だろ」


「...」


言葉にすると熱いものが込み上げてきて、

最初の涙がこぼれてしまうと、あとはもうとめどなく流れてきた。

1人で泣いてしまうと立ち上がれないような気がして、ずっと我慢していたものが友達の前だと簡単に流れてしまった。

騒がしい夜の街に赤ん坊のような泣き声が加わった。

 

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