第11話 関係
片瀬はウーロン茶で手を温めているから
部屋のエアコンの温度を上げた
「ありがとう」
そう言ってほほ笑んだように見えた
俺は少し近づけた気がして嬉しかった
「聞いても良いかな・・・
先生とはどんな関係なの?」
片瀬は俺から目を逸らし
呟くように話し始めた
「好きなの
山田先生が好きなの
だから
結婚したいって思ってる
でも、私が高校生だから
生徒だから
そんな理由で断られてしまうなら
学校なんてやめてもいいって思ってる」
結婚って・・・
「先生もそう思ってるの?」
山田は片瀬にそんな事を思わせているのかな?
自分には相手がいるのに・・・
「分からない
だから
こうして家に行こうって思っているの
いつも
時間が来たら帰らされてしまうから
帰らなくていいように・・・荷物もってきたの」
「家に行ったことあるの?」
「うん・・・一人で寂しい時には
一緒に居てくれる
泊ったのは一度だけ
仲山君が傘を貸してくれた日
先生の家から学校行った
前の日
あんまり寝てなかったから二人で寝坊して
天気予報、見逃したの
あの日も先生の家に帰ったんだけど
晩御飯を一緒に食べて
夜になったら家まで帰されてしまった
さすがに二泊はダメだった
”着替えないだろ?”
って
だから荷物もって来た」
あの日・・・俺が傘を貸した日
片瀬は山田の家からきていたのか
そして
俺の傘をさして
また、山田の家に帰った
だから
山田は俺が片瀬に傘を貸したこと知ってたんだ
泊ったって・・・
俺は山田のニタニタした笑顔を思い出す
そして
腹が立っていた
あいつには
結婚を考えるような相手がいるんだ!!
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