「仲間たち」とは、誰なのか?

作品に関わる人には、2種類しかないはずである。

ここでは百歩譲って、「第3の存在」があるものと仮定して、話を進める。


作品創作者にとって「仲間たち」とは、普通に考えると、作品の創作にいろいろな形で協力してくれた人たち、ということになる。例えば、作品の材料を集めてくれたひと、参考になる話を聞かせてくれたひと、作品の登場人物のモデルになることを引き受けてくれたひとなど。

しかし、このひとたちは、第3の存在といえるのだろうか。

「仲間たち」の位置づけは、問題を見るかぎり、「私」「読者」と対極に立っている。つまり、三者鼎立の1つと判断できる。よって、この「仲間たち」は、第3の存在といえるのである。


立場の違いに着目すれば、このひとたちは協力はしてくれたが、創作つまり執筆をしているわけでないので、つまりは第3の存在といえなくもない。


しかし、作品に関わる大前提である2種類の存在という点に着目すると、このひとたちは創作者側である。なぜなら、その作品の内容をあらかじめ知っているわけであるから。未知の内容を興味津々で見つめる読者、ではない。

また、たとえ第3の存在だとしても、その存在の価値はそれほど大きくない。作品にとって、「私」や「読者」と対等の価値があるとはいえない。

これらのことから、協力者たちは第3の存在ではないことになる。

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