冬香ss
ある一段と冷え込んだ冬の日のこと。
星宮冬香は自室の机に向かい合っていた。
「・・・ふぅ。とりあえずはこのくらいかしらね」
冬香は机の上に広がる、画用紙を見て微笑む。
冬香が作っていたのは、ボランティアで行っている付近の幼稚園や保育園で、今度読み聞かせる予定の紙芝居だった。
今は、園児たちからお願いされていた「かぐや姫」の紙芝居と、劇の脚本を作っているところだった。
「かぐや姫の役は絶対小絵よね。着物が似合うわ。夏寧は嫌がるでしょうけど、お爺さん役。梅香はお婆さん役がいいわ。深春には月からの使者の役がいいかしら」
冬香は、かけがえのない友人たちの姿を想像して微笑む。
「今度みんなに話してみようかしら。絶対良い作品になること間違いないわ!」
冬香は、園児たちの拍手を浴びている自分たちの姿を想像する。
「お姉ちゃーん。ご飯できたよー」
妄想にふけっていた冬香の思考を、妹の梅香が呼び戻す。
「はーい、今いくわ!」
とりあえずまずは梅香に相談しよう。
冬香はそう思い、部屋を後にした。
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