私と読者と仲間たち
水谷一志
第1話 私と読者と仲間たち
一
現在私には、たくさんの読者がいます。
一応、「ファンです」と言ってくれる人もいます。
あと、「仲間」と呼べる人間もいるのでしょうかね。
それって……、とても幸せなことではないでしょうか?
二
私の実家は、自分で言うのも何ですがそれなりに裕福でした。でも、私はそれで幸せだったわけではありません。
産まれてからの家庭トラブル。そんなことは世の中では日常茶飯事?いえ絶対にそれはありません。というかないと信じたいです。でも、私の実家はトラブル続きでした。
三
でもね私、自分で言うのも何ですが勉強はよくできた方なんです。
特に得意だったのは、英語。……まあそれ以外の教科もよくできたのですが。
それで私は大学に進学します。その大学名は……、もちろん秘密ですがまあ賢い大学、とだけ言っておきましょう。
四
でもその頃からね、私は精神を病むようになりました。……まあひどい病みようではなかった、と自分では思っているのですが。
そんな中、私はイギリスに留学します。そこでの生活は……、まあ「楽しい」と言えば楽しかったのかもしれませんが、苦痛も多くありました。まあとにかく、私は大学の講義にはまともに出ていません。イギリスではその代わりに個人レッスンなんかを受けたのですが、こちらの方が性に合っているようでした。
でも、その頃私をまた精神の病魔が襲います。なかなか順風満帆な生活というのは、難しいものですね。
五
その後私はイギリスから帰国します。そして大学の講師の仕事なんかをすることになります。しかし、というかやはりというか精神の病気は恐ろしいものです。そして私は……、その病気の治療も兼ね、小説を書くことに決めました。
六
そしてそして、なんとその小説が大ヒット!これは嬉しかったですね。そして出す作品、出す作品がヒットを重ね、私は人気作家の仲間入りをします。
七
そして、これはまあ完全に自慢になってしまうのかもしれませんが、私は「お金」のイメージになってしまっているみたいです。……本当はそんなことないんですけどね。だって、私よりもっと稼いでいる人、もっと上のお金の人、実際にいるんですから。
八
あとこれは宣伝になってしまうかもしれません。ただ……、私のことをよく知らないという方、どうか私の作品を読んでみてください。出版もしていますのでよろしければ本を購入してくださいね。まあでもネットにもアップされています。著作権がどうとかこうとかいう年でもないし、まあその辺のことはよく分からないし、……とりあえずネットなら無料で読めます。
九
現在私は、生まれ育った故郷を離れ、仲間たちと暮らしています。それは、とても幸せで小説談義なんかも頻繁にしています。もしかしたら、みなさんの参考になるような話もあるかもしれませんよ?
そんな中、私が故郷にいた時の小説エピソードを、最後に一つ紹介しておきます。
「先生、【I love you の日本語訳ですが、「我、君を愛す」でよろしいでしょうか?】」
【「いや日本人はそんな風には言わない。《月がきれいですね》、ぐらいにしておきなさい」】
夏目漱石 (終)
私と読者と仲間たち 水谷一志 @baker_km
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