『3、デブスお局のパワハラ』
こんなに
うちの母親は──妹の
そんな事を考えると、さすがに少し落ち込んだ。
なんの悩みも無い明るく楽しい
だが、
まさか、二人に面と向かって「俺、迷惑だった?」なんて確認できるわけがないからだ。
◆◆◆
こうして、よく分からないまま「とにかく母親が与えてくれた
俺の母親より年上に見えるが、まだ四十歳にはなっていないらしい。タヌキ顔で、がっしりした
この
最初は
今まで一度も仕事をした事が無いので、最初は
そもそも、ここは歯科クリニックなわけで、
バイトとはいえ、医療行為の手伝いをするのに、
とにかく、野村女史は何もかもが
少しでも早く仕事を
しかも
そして、ろくな説明もされないまま「やってみて」と言われて患者のデータ
いやいや、マトモに教えてくれれば覚えられると思いますよ、誰でもっ!
どうにもぐちゃぐちゃしている
「メモなんか取らなくていいからっ!」
え……?
今、どこにキレる
俺は一瞬、
野村女史は自分が声を荒げてしまった事に気付いたようで、あはは、と場にそぐわない笑い声をあげ、
「メモなんか取らなくても大丈夫よ。仕事はゆっくり覚えてくれればいいから。佐々木さんなんて仕事を覚えるまで三ヶ月もかかったんだから」
ああ、佐々木さんとかいう人は三ヶ月もこの
あっ、この人、
なんと、俺は人生で
一度たりとも嫌な虐めには
とはいえ、俺は
しかし、だ……「友達が出来ない自分の性格が『今、この場』で、仕事の
自分のコミュニケーション能力の
だが、違ったのだ。
なぜなら、野村女史は、わざと新人に仕事を覚えさせないようにしているからだ。
ううむ、と俺は顔に出さず心の中で
教える
しかし、新人が仕事を覚えないと、
それって自分で自分の首を
野村女史の
さらに二時間も
野村女史は、俺をイビリながらも、
そんな
こんな人は初めて見たし、こんな目に遭うのも初めてだ……
初日から
その日は午後四時頃から、
それに、忙しくなったら、やっと俺にも仕事が回って来た。治療器具の洗浄だ。さすがの野村女史もこの作業だけはマトモに教えてくれたので、ほんの少しだけ気が楽になった。
ちなみに、スタッフルームには
危険な作業は野村女史でさえも教えないわけにはいかなかったようだ。その部分にだけでも
器具を洗っては
その状況でマトモに仕事を教えてもらえないというのは精神的にかなりキツイ。
受付業務がよく分からない。患者の予約の入れ方も分からない。患者データを管理するソフトの使い方もイマイチ分からない。電話の出方も分からない。取ってと言われた薬剤や治療器具の
野村女史の虐めのお陰で、俺はどんよりとした気分になっていた。
「すげえ……働くって辛いなぁ……」
初めて仕事をしたその日は、一日中(午後だけのバイトなので半日か)仕事をマトモに教えてくれない野村女史に
◆◆◆
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