第4章
新しい楽園。 4
走るように日々が消えていきます。
初心なんてものはきっと簡単に消えてしまい、すぐに私も傲慢な人間になります。
きっと昔、なりたくなかった人間になっていきます。それでもきっと世界は許してくれます。だから許せないのです。人間として生まれ、育ち、私もまた、他の人間と同じように、同じような人生を送ることを。
そんな私は許されますでしょうか?人間じゃなければこんな感情にはなりません。いっそ人間ではないものに生まれて罪を犯さない存在になりたかった。どんなものの命も奪わず誰の障害にもならないようなもの。また、無害で何かの役に立てるもの。そんなものになりたかった。
ここは、楽園ですか?人間が作ったんですか?ならばきっと現実の世界と変わりませんね。人間本位な空間でありましょう。
所詮人間にとっての楽園なら、お腹が空いたら食べものを食べ、時に人に乱暴し、たまにセックスをする。そんな感じです。結局、他人本位、他物本位なんですよ。
セックス万歳、セックス万歳。
欲にまみれた汚い人たち。わたしはきっとそんな中の一員なんです。一因、一員。
連帯責任がある。誰かが悪さをすれば。
走らなければ終わりません。走ることで罪を滅ぼすのです。そして次に同じ罪をしないようにするのです。でも走るのが得意な人はまた罪をします。きっと世界から罪が消えないのはそういうためです。
楽園って、なんでしたっけ?
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