第10話 御茶国市課税課から・再び

照会書返送してから二週間ほどは音沙汰なく。さては仕事が早いのは家裁の調査官であって裁判官の仕事はそれなりに忙しいのであろうかと思いを巡らせたりしていたところ。家に帰ってみると御茶国市からまた「固定資産税・都市計画税」と書かれた封筒が届いていた。一通は課税課から、一通は納税課から。

こないだ固定資産税の請求は届いてたんだが....もう一度か?と思いつつ中を確認。一通は督促状で、まぁ相続放棄の手続きまだ終わってないし、市としてはまだ納付がないので督促は送らざるを得ないのだろう。お仕事ご苦労様ですと思いながらもう一通を開けてみると、先日見たような固定資産税の請求書が入っている。

書類が一通添付されていて、「清水格之進様名義の固定資産税納税通知書の送付について」と題されている。....誰それ。

読むと、清水格之進なる人物の固定資産税納税通知書の送付先が清水太郎であり、この度通知が送達されていないことが判明したため改めて納税通知を送付させていただいいたとか。つーか誰だよ清水格之進。そもそも固定資産税って所有者じゃない人に請求がまわるものなのかよ。文章読む限り不動産の所有者は清水格之進で間違いがなさそう。なのに清水太郎に何故か納税通知が送られることになっており、清水太郎が受け取れなくなっているということでその代わりとしてウチに納税通知書が送られてきた、ということらしい。

....うん、相続は争族、ってほんとだわ。まだ会ってもいない血縁上の叔父叔母、すでに印象は最悪で。姓同じだし住所も近いようだし、この清水格之進も縁者である可能性が高い。実息子が処理せず放擲した相続がらみの課題がなんで血縁関係こそあれ生まれて一年たたずに養子に出された子供のさらに子供の仕事になるかね。

かくなるうえは実祖父の出生から始まる血縁関係明らかにして、きっちり処理しないといけないらしい。はぁ。

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