第6話 申述書を書く

というわけで弟妹とも連絡を取る。

事前に伝えておいたので、戸籍謄本は取ってきたとのこと。それじゃ顔を合わせて書類確認しながら送る準備しましょうということで話がまとまる。

相続放棄の申述書は裁判所のWebに書式が掲載されていたのでダウンロードして印刷する。表裏なのか二枚なのかがはっきりしなかったけれど、とりあえずはA4二枚に。

書きながらはたと気が付く。

「名前、なんて読むんだ....?」

実祖父の名前、仮に太郎としているのだが、読みが「たろう」でなく実は「たいろう」だったり「たお」だったりしないだろうか。役所からもらった書類には名前の振り仮名の記載はない。まぁ戸籍によみがなは振っていないはずなのでいいことにするしかないと思うが。

相続の開始を知った日は、固定資産税現所有者申告書が届いた日を書き、理由にもその旨を記載した。死亡からはだいぶ経っているので、これで認めてもらえないと厳しいのだが。

本籍と別に住所も書かねばならない。どこを読んでいいのかよくわからなかったが、戸籍の附票に住所としてさらっと本籍地と同じ所番地が書かれていたので、これで良いらしかった。

放棄の理由としては、無難そうな選択肢として「生活が落ち着いている」を選んだ。あとわからないのは財産の概要。調べがついた(というか役所から税金払えと連絡が来た)分の不動産の面積だけ書く。他に隠し財産とかあっても知らんぞ俺。

弟妹二人もそれぞれ同じものを書いてもらって、あとは自分の分には祖父から自分までの血縁関係を証明する戸籍謄本類をつける。弟妹の分は、それぞれ自身から親父との関係を証明する戸籍謄本をつけて、この三通の申請書をまとめて送付することで、関係事件としてまとめて扱ってもらえるらしい。


何度か見直して一応間違いなさそう。さてあとは書類を揃えないとだ。

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