第22話 吸血姫さんは問う。

「琴美ちゃんただいま!」


「……ん」


 玄関を開けてすぐに声をかけるとリビングの奥の方から気だるそうな返事が返ってくる。ご飯ちゃんと食べてたよね?


「こ、琴美ちゃんご飯食べてた?」


「……ん」


 何してるのかなぁと思ってリビングのドア開けて様子見に来たけどめちゃくちゃ馴染んでるんだけど。今話題になっている家庭用ゲーム機のソフトの『魔獣ハンター』をソファーに横になりながらやってる。しかも私よりもめちゃくちゃストーリー進んでいるんだけど!?


 キッチンに行ってみると冷凍食品の袋がいくつかあったのでそれを食べていたのだろう。家での生活思い出させちゃったりしたかな?


「これからはご飯私が作ってあげるからね」


「……ん」


 さっきから同じような返事しかしないけど私の話聞いてるよね!?ゲームに夢中でめんどくさいとか思われてないよね!?なんか私の家ってこと忘れそうだよね。実際私が住み始めてからそんなに経ってないしむしろ琴美ちゃんくつろぎすぎでしょ。


 まあその方がいっか。よそよそしすぎると逆に距離詰めにくかったりするしね。


 夕食の時間になったのでゲームを切り上げてもらってダイニングで一緒に食べることになった。そろそろ真面目に話すか。


「琴美ちゃんおいしい?」


「……ん」


「良かった。それと、準備もほとんど終わったしとりあえず挨拶にでも行こっか」


「わかった」


 やっと普通に返事してくれた。元々そういう感じなのか、ただ拗れてるだけなのかわからなくなっちゃったけどちゃんと笑顔にできるように私は頑張ろう。


「そう、あと学校の友達の方にも裁きを下さるけどどうする?」


「正直、眼中にない。でも、被害者増やしたくない」


「ふふ、分かった」


 もしここでお人好しすぎで更生する余地があるから忠告だけでいいとか言い出したら見限ってたかもしれない。そんなつまらない人じゃなくて良かったよ。


 このあとすぐに警察に電話して証拠の提出と、学校に調査を入れることなどの話し合いを軽くした。声だけでも効果は薄いが魅了魔法の効果があるので私に都合がいいように上司とかに申請してくれただろう。

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