第21話 吸血姫さんは強姦される。

 あのあともガミガミ言われ続けたが無視していたら勝手にどっか行った。おそらく自分たちのご飯を食べに行ったんだろう。


 こういうのって弁護士に相談しに行くのか警察に相談するのがいいのかどっちがいいんだろう。罪に問われるらしいから警察に行った方がいいよね。この後の展開が楽しみすぎる。


 5、6限も終わって放課後になったのでそのまま帰ることになった。


 家に帰ってまたら前のように虐待を受けて、次の日また学校へ向かう。


 だいたい朝から昨日と同じようなことが続いて証拠が着々と揃っていく。今日は担任の本田勝と接触しようと思っている。


 昼食を食べ終えてから職員室に行って本田勝に声をかけると空き教室に連れて行かれた。あぁ、他の先生に自分の対応を見られないようにするためにこんなところに連れてきたのか。


「本田先生、この前も言いましたけど……」


「そういうのは時間が経てば終わるから気にしないようにしなさい」


「先生は何もしてくれないんですか?」


「おいおい笑わせるな。誰が落ちこぼれのお前に手を貸すんだよ」


「え?」


「お前の対応するのこっちも疲れるから静かにしてろ。でも不登校にはなるなよ?こっちがもっとめんどくさくなるからな。じゃあな」


 最初はただの事なかれ主義かと思ったけど単純にクズだろこいつ。これでほぼ全員の証拠が揃ったから予定通り明日で最後にしよう。


☆☆☆☆☆


 6限が終わって帰る準備をする。これで潜入作戦も終わりか……。私の前でお互いに名前呼びしながら暴言吐いてきたから声が似ているとか言い訳できない。してもどうせバレるだろうけど。


 あと暴言以外に物を隠されたり消しゴム投げてきたりとか余裕で窃盗罪だよね。暴力の証拠を掴めなかったのは残念だけどまあいっか。


 昇降口を出て本当の家の方に帰ろうとすると、突然腕を強引に掴まれて空き教室に連れて行かれる。


 そこにはいじめっ子の5人がいた。


「おい!学校きてんじゃねぇよ!次来たらマジで犯すって話したよな?」


 はあ?何言ってるんだこいつ。いくら中学生で子供だからって常識なさすぎるだろ。


「相沢はビッチだからむしろ犯されたかったんじゃない?」


 ギャハハと下品に笑いながら犯すだのバッチだのバカにしてくる。


「流石に犯すのは冗談だけど裸をネットに晒すっていうのはほんとだからね」


「じゃあ制服脱がせるよ〜」


 幻惑魔法だから脱がせる瞬間とかは流石に再現できない。しかも脱がせられたなんて出回っただけでも琴美ちゃんに被害が及ぶ。ここは何としてでも逃げよう。


 タイミングを見計らってそのまま空き教室をでる。曲がり角があったらそのまま影魔法で隠れて撒こう。


「おい!逃げるんじゃねぇ!」


 何でそんなに必死になってるんだろう?そんなに裸が見たいなら彼女のでも見とけよ。やっぱり大沢拓人って琴美ちゃんに惚れたままだよね。


 ふぅ。とりあえず撒けたよね。流石にハイスペックなだけあって少し本気を出せばすぐに死角に隠れられる。


 よし、やること終わったからあとは琴美ちゃんに決めてもらおう。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る