第7話 吸血姫さんは血を吸いたい。
家電や家具を買ってから、ホテルにこもってパソコンをずっといじっていた。もちろんずっとホテルに居たわけではなく、カフェに行って時間を潰したりしてたけど……そのおかげもあってパソコンはほぼ中級者くらいには使いこなしてるはずだ。
吸血姫のハイスペックボディを使えばなんてことない。
デスクトップパソコンを買ったらゲームをしたいとか思ってたのでスペックとかめちゃくちゃ調べた。
詳しくなってから暇で居ても立っても居られないから、結局この前の電化製品店で買ってきちゃった。モニターは3つにしようかと思ったけどあっても使わないからとりあえず2つにしておいた。……2つでも十分すぎるけどね。
今日は入居日なのですでにタワーマンション前に来ている。手続きを済ませてから家具等も全て運んでもらって夢のマイホームが完成した。
一部屋一部屋が家具屋さんのレイアウトの紹介コーナーみたいに綺麗に揃っていて色んな人に自慢したくなっちゃう。友達いないけど……。
☆☆☆☆☆
入居が済んで落ち着いていると、途端に吸血衝動に駆られる。日本に来てから3週間弱経ったけど、そろそろ足りなくなってくる。1ヶ月持つとはいえ、人間で言うところの水と睡眠だけで2〜3週間生きられるみたいな感じで吸わなければ辛い。
その場凌ぎで記憶を操作しながら勝手に吸わせてもらうこともできるけど、これからずっと続けられるわけじゃない。
私の家は広いから誰かを養うっていうのもありかな?小さい子すぎるとこっちの負担になるし、大人だと養うとはまた変わってきちゃうもんね。中学生から高校生くらいが理想かな。
今日はどうしようもないからクラブかなんかに行ってトイレに連れ込んで吸っちゃおう。もちろん女の子をね。
クラブだったらお酒で魔法が聴きやすくなるし、女2人でこそこそしてようが違和感を感じられることはないだろう。
近くのクラブは最寄りの一駅先にあるっぽい。早速行こうか。
☆☆☆☆☆
クラブに入ってみたけど前世インキャにはキツすぎるノリと雰囲気に合わせて踊ったりリズムになったりしてるけどぎこちないからもう辞めたい。
異世界で社交ダンスとかはよくやってたけどそれとは違うもんなぁ……
あとめっちゃナンパされるんだよね。チャラい金髪の日本人とか外国人からもよくされる。異世界でも慣れていたから、かるーくかわすけどね。
じゃあこっちもナンパタイムと行きますか。私の目線の先にいる茶髪のナイスバディなお姉さんに声をかける。
「お姉さんこんにちは。楽しんでる?」
「ええ、楽しいわ。こんな綺麗な方に声をかけられるなんて思ってなかったけど」
「私ね、お姉さんのこと結構タイプだよ」
「ナンパ?あんまりからかうもんじゃ……うふふ、なんだかわたしもあなたのことを好きになりそうだわ」
私は会話をしながら魅了魔法をかける。お酒に酔っていて抵抗力が低くなっているからかかりやすい。かかりやすいと言っても地球で私に敵う人なんていないと思うけど。
「ちょっと人目が気になるからトイレでも行かない?」
「いいわね、わたし何されちゃうのかしら」
魅了状態になったのでお姉さんはほぼ私に隷属している感じだ。お姉さんが私を本気で嫌悪しない限りは魅了が切れることはない。
お姉さんを押し倒す感じで便座に座らせてその上に馬乗りになる。
「もう我慢できないっ、いただきまーす」
「キスマークでもつけるの?えっ、あ……っん」
「んちゅっ……ちゅ、ちゅぱっ。ふぅ……」
「あん、っん……ハァハァ、なに、これ……」
「あなたは今のことを忘なさい。イチャイチャしてただけだよ」
「えっ、そんなぁ。忘れたらまたしてくれる?」
「うん、もちろんだよ。するときだけ思い出させてあげる」
魅了状態にある人には声をかけるだけで記憶を操作するのは容易い。吸血されるのにも快感があるので、私を嫌いになることなどなく一度かかれば生涯魅了にかかったままだろう。
「じゃあまたね」
そう言ってクラブをあとにした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます