第2話 吸血姫さんの趣味。
そんなこんなで挫折することもなくハイスペックな身体で好きなことをして生きている!!なんて楽しいんだ!!
そして今日は一年振りにアレをやろうと思っている。
推しキャラコスプレだ!
今の容姿やスタイルは怪盗ミラちゃんというアニメの主人公ミラちゃんにそっくりなのだ。髪と瞳はすでに説明済みだが、小顔なところもDカップで形の整っている胸も165くらいの身長で脚がスラっと長いところも。
怪盗ミラちゃんは悪いことをしている人の大事なものをひとつ盗んで代わりに困っている人を助けるという義賊みたいなことを題材としたアニメだ。
盗む時のコスチュームだが黒いワンピースドレスに白狐の仮面をつけている。そして私もまた、全く同じ衣装を着ている。
コスプレといってもハイスペックな身体を使わない手はない。コスプレだけに終わらず悪いことをしている人から盗みはしないけど代わりに宝物を一週間隠すイタズラをしている。
初めたての頃は売ってお金にして寄付したり困っている人を助けていたんだけど、闇取引的なところで売らないと足取りがバレてしまうのがめんどくさい。試しに一週間隠してみただけでも十分抑止力になったためそれから打っていない。
今回潜入するのは今までで一番大物で、王国の宮殿だ。宮殿といっても最上位の魔物で500年以上も生きていたら潜入することくらい容易い。止めるのならばそれこそ世界三大魔女クラスの人間が必要だろう。
ちなみに国全体が腐敗していて一週間隠す程度じゃどうしようもないが、単純に宝物庫に何があるのか気になるのでターゲットにした。
魔法を使って難なく潜入して今は宝物庫の扉の前にいる。
「やっぱり宮殿って言っても大したことないね」
宝物庫に入ると中には豪華な芸術品や神器など、どれも価値のあるものでいっぱいである。
その中でも一際目立つのはガラスケースの中に保管されている半皮紙に書かれた魔法陣だ。周りには魔法で厳重に結界が張られている。
「私にかかればこの程度なんとでもなる――
容易く結界を解除してガラスケースを開いてなんの魔法陣か解析する。
「んんー?転移の魔法陣に似ているような……ってこれ強制的に異世界人をこっちに呼ぶやつじゃん!」
この世界に私が転生したように他にも転生者や転移した人はいてテンプレのような人生を送っている人が偉人となっている。
だが、魔物に転生しても人型でなかったりすぐに死んだり、人間に転生しても70年くらいで寿命の為、地球に戻るのは不可能とされている。私みたいな存在は奇跡に近いだろう。
そしてこの魔法陣をもっと解析して地球の座標を調べれば戻れる可能性がある。
「戻れるかどうかわからないけど試す価値はある!」
ハイスペックな頭脳で魔法陣を瞬間記憶して、半皮紙を燃やして消滅させる。クソみたいな国に異世界転移させられて奴隷エンドフラグを折っておく。
3日ほど費やした結果、魔法陣の解析が終わって地球の座標を見つけ出す。
「地球では何年経ってるかわからないけどこっちに戻れるし行ってみよう!――長距離転移」
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