第13話 シーナの日記



私はその日、久しぶりに夢を見た。


仲間であり、言い方を変えるなら相棒でもある彼が、大金を手に入れたおかげで少し安心したのかもしれない。


でも、起きてから涙ですっかり濡れている頬を拭って思った。彼と私は戦う目的が違う。


彼が何を思って戦うことにしたのかは知らない。あの優しい笑顔の奥にどんな思いを秘めて戦っているのかは知らない。



そんなものを知ったところでどうすることも出来ないし、何かが変わる訳でもないだろう。それに、言いたくないから隠しているはず。


私だって同じだ。




でも、「もうあんな思いをしたくない。」くらいなら言ってもいいのかもしれない。



なんて思っている弱気な自分がたまらなく嫌だ。

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