とあるバンドマンのスマホ活用術
中村 天人
音楽好きは音楽を辞めない
「お前らが大人になるころ、テレビは絵のように壁にかけられるんだぞ」
小学校の先生が言った。
当時のテレビはブラウン管で、重いし奥行きがあるし、とても壁にかけられるものではない。
テレビが壁にかけられるなんて想像もつかない生徒たちは、信じて驚く者もいれば、冗談だと思って笑う者もいた。
今は薄型テレビが当たり前だが、当時の私は「まさか」と思いながら話を聞いていた。
しかし結果は、その時のまさかが実現されている。
電話もそうだ。
小さい頃、どの家にもあったの「黒電話」。
我が家は黒ではなく肌色だった黒電話。
よく、穴の開いた円盤をくるくる回し、リカちゃんに電話をかけたものだ。
リカちゃんと会話していた小学生のころ、スマホが生まれるなんて誰が思っていただろう。
三十年経てば、時代が全く変わっていく。
私の中で、変わらないものはないのだという理論を構築したのは、テレビとスマホだった。
そして時代に合わせて、自分も変わっていくことになる。
時は流れ2020年。
コロナが流行して最初に問題視されたライブハウス。
まさか、コロナ渦でスマホが大活躍するとは。
何を隠そう、私はアマチュアミュージシャンだ。
椎名林檎に憧れ、彼女が使っていたデューセンバーグというドイツのメーカーのベースを持っている。
ちなみに、「19万も持っていない御茶ノ水」の19万円で買った。
ハタチのころからライブハウスにはよくお世話になっていたのだが、コロナが流行ってからは一度もライブができていないし見にも行けていない。
そのかわりに始まったのが、WEBを利用した音楽活動だ。
ライブができなくても、音楽好きは音楽を辞めない。
何をしているかと言うと、iPhoneにはガレージバンドというアプリが標準で入っていて、それで作曲をするようになった。それらしい音がセットになっているため指先一つでプロが作曲したような曲が作れ、このアプリで作った曲はニュース番組のバックミュージックでも使われている。
ガレージバンドなど一切使ったことは無かったが、私も見様見真似で作曲を始めるようになった。そして、曲に声を重ねたら今度は映像をつける。
その時はまっていたK-POPのミュージックビデオを参考に、友達とそれっぽく撮影し、これもスマホのアプリで編集して繋げていく。
素人ながらに、スマホだけで自作のミュージックビデオの完成だ。
こうして地元のミュージシャンが映像を持ちより、YOUTUBEでライブ配信したり、Twitterでイベントのタグをつけて公開したり、ライブハウスに行けない今だからこそ、できることをして楽しんでいる。
そんな音楽活動を経た私は小説を書くようになったのだが、そこで培った作曲と映像編集の技術は、自分の作品の宣伝映像を作ることに役立った。
小説の宣伝映像で動くキャラクターが登場するのだが、これはVTuberに挑戦しようとキャラクターを作ったはいいものの、難しくて断念した時の経験を応用して作ったものだ。人生無駄なことはない。
小説の宣伝映像のリンクをこのエッセイの最後に置いておくが、これは全てスマホで作っている。
何も分からなかった素人が作ったものだが、良かったらプロじゃなくても映像作品ができるという一例として見てもらいたい。
そして、面白いので興味があればぜひ皆さんにもチャレンジしてみてほしいと思う。
私は音楽や映像の制作にスマホを使っているが、柔軟な発想があればスマホの可能性がもっと広がるはずだ。
もし皆さんのスマホの活用方法があれば、是非教えてほしい。
https://twitter.com/nakamuratenjin/status/1395335276013113346?s=21
コロナの終息を心より祈っています。
とあるバンドマンのスマホ活用術 中村 天人 @nakamuratenjin
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
関連小説
作者:田中 龍人/中村 天人
★40 エッセイ・ノンフィクション 連載中 19話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます