第143話 AIと将棋
数年前まで、私は昼休み将棋をやっていました。
人事異動で、昼休みに将棋ができる環境ではなくなり、人間と対局することがなくなりました。
いまではAIと対局しています。
上手な人間も手強いですが、AIも強いです。
私の棋力はせいぜい6級といったところで、AI奨励会という待ったなしの対局をすると、AI5級との勝率は3割程度、4級と平手で対局すると、めったに勝てなくなります。
棋力を高めるためには、地道な努力が必要です。詰将棋を解き、将棋本を読んで研究し、プロの対局を見て解説を聞き、人間かAIと対局する。相当な時間とエネルギーを注ぐ必要があります。
私は将棋が好きですが、文章書きと釣りはもっと好きで、そのふたつの優先順位は死活的に高く、将棋にリソースを割く余力はありません。なので、いつまでも棋力は6級止まりです。
私は負けず嫌いなので、AIと将棋を指していても、熱くなることがあります。負けると、もう一度、また負けるとさらにもう一度と指しつづけてしまうのです。気がつくと、あれ、小説を書く時間がなくなっちゃった、という事態に何度も陥っています。絶対にギャンブルをやってはいけない性格です。
AIが相手でも、対局は楽しいものです。
しかし詰将棋や研究は苦しい。棋書を読むのはかなりの根気が必要です。
いつか小説を書くのはもういいや、というときが来たら、人間と対局できる将棋クラブにでも所属し、将棋に没頭したいと考えています。そして、上達したい。
そんなときが来るのかな?
人生、なにが起こるかわかりません。
書けるだけのことを書き尽くしたと思ったら、小説をやめて、将棋に注力する日が来るかもしれません。
将棋漬けの日々を過ごしたら、それがまた小説のネタになるのですけれど……。
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