第55話 自問自答。私はなぜ小説を書くのか。

 私はどうして小説を書いているのでしょうか。

 小学生のときから書いていましたが、一番熱心に書いていたのは中学生のときで、高校生になっても書いていました。

「どうして小説を書いているんだ?」

 私の小説を読んでくれた親友から聞かれました。

「書かずにはいられないから」と答えました。

「この小説のテーマは何?」とも聞かれました。

「テーマなんてないよ」と答えました。

 私は心に浮かぶなんだかもやもやしたものに形を与えて、吐き出しているだけなのです。

 私は体内に溜まる毒を小説という形にして、排出し、生き永らえているのです。

 書かずにはいられないから書くのです。

 書かないと死んでしまうから書くのです。

 私の小説はゲロみたいなものです。

 げーげー吐いて書いているのです。

 社会人になっている今もときどき小説を書いています。

 小説を書く動機はあまり変わっていないです。

 書かないと生きていけないので、書くのです。

 中学生のときより体内の毒が少ないので、書く量は減っていますが、毒が溜まると書きます。

 すっかり毒を排出してしまうと、書けなくなります。

 もやもやが溜まると再開します。

 もちろん面白いと言われたり、読んでもらえたらうれしいです。

 なのでノベプラを知り、投稿を始め、初めてスタンプをもらえたときはとてもうれしかったです。

 今もスタンプやコメントやポイントをもらえると喜んでいます。

 まったく反応がないと辛いです。

 けなされたら苦しいです。

 あまりにも辛く苦しくなったら、公開するのはやめると思います。

 辛くなるために書いているわけではないからです。

 私は体内の毒を吐き出し、体調を管理するために小説を書いています。

 公開して体調が悪くなったら、本末転倒です。

 新人文学賞に応募したことは何回かあります。

 小説で稼いで生きていけたらいいだろうなって思ったんです。

 仕事が辛いので。

 でも落選つづきでした。

 私の毒が書かせる小説に需要はないようです。

 残念でした。

 作品はなるべく面白くしようと思っているから、面白いと思ってもらえなかったのは残念でした。

 力量が足りませんでした。

 プロの小説を読み、自分の小説を読むと全然ちがいます。

 私の小説はお金を稼げるようなものではありませんでした。

 万が一デビューできたとしても、プロとしてはやっていけなかったと思います。

 きっと編集者の注文にうまく応じられないです。

 異世界転生ものを書けと言われても、無理です。

 誰にも文句を言わせない圧倒的な作品を書く力量もありません。

 残念ですが仕方ありません。

 今の仕事を続けて食べていくしかありません。

 この小説投稿サイトには毒を原料とした小説は不可というルールはないと認識しています。

 なのでここで公開させてもらっています。

 素は毒ですが、読んでも死なないように加工しています。

 ちょっとは面白いと感じてくださる方もいるかもしれません。

 スタンプとかもらえたらうれしいので、第二の書く動機になります。

 プロの作家だって、根底の書く理由は自分の解毒のためじゃないのか?

 猛毒を持っている作家が面白い小説を書くんじゃないのか?

 心に深刻な欠損を抱えた人間が傑作を書くんじゃないのか?

 私の毒がすっかりなくなって心と体が漂白されたとき、私は小説を書かなくなると思います。 

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