第54話 水路のピンクのやばいやつ

 8月に田んぼの広がる大地を散歩していたときのことです。

 農業用水路のコンクリート壁に見るからに禍々しいピンク色のつぶつぶが付いていました。ひとつやふたつではなく、延々とそのピンクのやばそうなやつが付着し続けていました。

 かなり気持ち悪い外見です。プラスチックの作り物みたいにケバケバしいピンクのブツブツとした塊です。何かの卵のように見えました。

「水路 ピンク 卵」でネット検索すると、どうやらそれはジャンボタニシの卵らしいとわかりました。

 その田んぼでは、ふつうのタニシよりかなり大きいタニシがうねうねと動いていました。その卵のようです。正式和名はスクミリンゴガイ。

 ジャンボタニシには寄生虫がいる怖れがあるみたいですが、なんとその卵には神経毒があるそうです。捕食者の神経を麻痺させる毒です。だからあんなに目立つ色をしているのですね。おれを食ったら危険だぜ、みたいな。

 ジャンボタニシの卵の唯一の天敵はヒアリだそうです。ヒアリって、殺人蟻じゃないですか。毒をもって毒を制すですか?

 ジャンボタニシの卵は水中ではう化できないので、火ばさみなどでかき落とすと駆除できるそうです。絶対に素手で触らないでください。僕はなんだろうこれと思って触りそうになったので、ネットの記事を読んでぞっとしました。触らなくてよかった……。

 ジャンボタニシは稲を食べる害貝です。南米原産で環境省が重点対策外来種に指定しています。世界の侵略的外来種ワースト100にも指定されています。

 そんなやばいやつが日本の田んぼに広がっているなんて知りませんでした。

 ちなみにヒアリも世界の侵略的外来種ワースト100に指定されています。

 いろんなやばい外来生物がいつのまにか日本に侵入しているのですね。

 僕の釣りの対象魚ブラックバスやチャネルキャットフィッシュも特定外来生物なのですが……。

 ふう。害獣のアライグマやハクビシンも増えているそうですし、生態系はずいぶんと変わってしまったようですね。

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