第39話 長編小説の完結 このエッセイ自体が愛詩輝の軽いネタバレなので閲覧注意
「作家志望愛詩輝の私小説」という長編小説を連載しているのだが、書き終えた。
毎日1話ずつ公開すると決めているので、最終回の公開はまだ先である。
全部で8万字を超えた。こんなに長くなる予定ではなかった。というより、まったくプロットを決めずに遊びで書き始めた小説だった。遊びである証拠に、第1話のキャラクターの名前が完全に遊んでいる。
谷川流先生の傑作小説「涼宮ハルヒの憂鬱」から借りている。
涼宮ハルヒから頂戴して、涼宮ハルカ。
長門有希から拝借して、長門ユリ。
二人とも百合キャラにしてしまった。谷川先生すいません。尊敬しています。涼宮ハルヒシリーズは買っています。
その他、第3話で主人公愛詩輝の家族の名前でも遊んでいる。
父は愛詩鯛(あいしたい)、母は愛詩名夜(あいしなよ)、兄は愛詩方(あいしかた)、姉は愛詩手世(あいしてよ)だ。
主人公の愛詩輝以外は全部冗談で作った名前だ。遊びで書いた小説ということに納得していただけただろうか。
しかしいつからとははっきりと言えないが、途中から大切な小説になった。
作中で大して活躍させるつもりはなかった愛詩方と愛詩手世が思いがけず思い入れのある重要人物となった。
愛詩輝に僕の小説に関する想いを代弁させるようになり、みらいつりびとの私小説的側面を持つようにすらなった。
毎日公開するという目標を立て、休日を使い、睡眠時間を削って書き続けた。
ネタに詰まって苦し紛れに登場させた空鳥綾乃が大活躍をした。
愛詩輝が美少年に見える美少女という設定で、第1話に百合キャラを出したせいか、綾乃はバイセクシュアルという属性を持って登場した。彼女の活躍のおかげで物語は思いがけない展開を見せ、想定外の地点に着地した。
僕はセクシュアル・マイノリティに何ら差別意識はなく、作中でも差別したつもりはないが、あまり深く考えず安易に登場させてしまった面はある。もしそのような方々を傷つける表現があり、正当なご指摘があれば、訂正等の対応をします。
しかし世の中にBLや百合は溢れ返っているし、それらの作品はLGBTについて考えて書かれているのだろうか。別に考慮する必要はないのだろうか。
話が少し脱線した。
長編小説が思いがけず書けたことに話を戻そう。
本作ではキャラクターが勝手に動き、僕にパソコンのキーボードを打たせ、ストーリーを湧き出させた。
愛詩輝はごくありふれた異性愛の持ち主なのだが、兄とバイセクシュアルの少女から愛されるという事態に遭遇する。到底真っ当なラストには辿り着けないだろうと思っていたのだが、輝と綾乃の作者の構想力を完全に超えたアクロバティックなプレイできれいに完結した。
別に自画自賛しているわけではない。本当に普通にまとまって完結していると思う。読んでもらえればわかる。これは宣伝ではない。本当に。このような不思議な出来事がなければ、才能のない平凡な人間に長編小説を完成させることなどできないよなぁ、と今思っているのだが、それを伝えたいだけだ。
遊びで書いているつもりが、大切な作品になり、途中苦しみもした。完結してよかった。
追記 作品を書き上げた直後、作者は頭が熱くなっています。それが長編ともなればなおさらです。完成翌日のいま上の文章を読むと、「アクロバティックなプレイ」は言い過ぎですね。そのようなたいそうなものではありません。ふぅ・・・。
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