第8話 焚き火のゆらぎが瞑想へいざなう・・・炎ゆらゆら
焚き火に当たらないか。暖かいよ。
火を見ながら瞑想しよう。
炎のゆらぎが人を瞑想にいざなう。
ああ、その前に伝えておくことがある。
焚き火にはルールがあるんだ。
たいていの場所では直火は禁止だ。
昔はやっていいところが多かったようだけど、マナーの悪い人がいて、炭を放置して帰ったりしたから、ほとんどの場所で禁止になったんだ。
だから、焚き火台を買ってから焚き火をしよう。炭はきちんと持ち帰ろう。完全に消火して、片付けるまでが焚き火だよ。
いろいろな焚き火台がある。どれを買えばいいのか迷ってしまう。
僕は焚き火台を自作した。
簡単だよ。
煉瓦を三つか四つ、地面に置く。その上に使い捨てのアルミの皿を乗せる。皿をアルミホイルでくるむ。それだけだ。
どこで焚き火ができるか、ネットで調べよう。焚き火禁止の場所が多いからね。
住宅地でやるなんて、論外だよ。
キャンプ場がおすすめだ。
僕はとある河原で焚き火をしている。
河川管理事務所のホームページを読み、直火は禁止、人に迷惑をかけなければ、台を使って焚き火をしてもよいという記述を確認して、その場所を選んだ。
川にはいろいろな人が来る。
釣り。野球。サッカー。凧揚げ。トランペットの練習。いろいろな目的で来る。ただ川を見るためだけに訪れる人もいる。
他の人とトラブルにならないよう気をつけよう。煙を嫌がる人がいるからね。
万が一にも火事にならないよう、風が強い日には焚き火はやめよう。
河原には焚き火に使えるものが落ちている。
枯れ草は焚き付けに使える。乾いた流木を拾って、ノコギリで手ごろな大きさに切り、薪にする。
焚き火台の上に、まず枯れ草を敷こう。その上に細めの木を井桁型に置いて、細長いライターで着火する。
木にしっかりと火がついたら、次は太めの薪を乗せよう。
火はときどき世話をしてやらないといけない。トングで薪の位置を動かしたり、消えそうになったら、うちわであおいで、空気を送ったりするんだ。ときどき薪を追加する。
太い薪が燃えたら、落ち着けるよ。
炎のゆらぎを楽しもう。
思考を手放そう。
悩みは忘れよう。
燃える薪はやがて、炭火になる。
金網を焚き火台に乗せて、肉を焼くといい。
炭火で焼いた肉は旨いよ。シンプルに塩で味付けするのが僕のおすすめだ。
夜になると、気温が急に下がるけれど、焚き火に当たっていたら、凍えることはない。
僕は無口なたちだけど、きみが話したければ、話してもいい。
きのう、職場で怒られた?
そういう話は居酒屋でしよう。
流れ星の話がいい。
あれは、石なんだよ。
地球の引力に捕らわれて大気圏に突入し、摩擦熱で光っている。たいていの石は燃え尽きて、地上には到達しない。稀に隕石として地上に落ちる。
巨大な流れ星は地球に激突し、大惨事を起こす。
恐竜を絶滅させたりする。
焚き火にはそんな話が向いていると僕は思う。
興味がなければ、聞き流してくれていい。
黙って火を見ていればいい。
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