第24話 レース開始
イラリオから
「拡散三点バーストの固定はできているかぃ、嬢ちゃん?」
「もちろんだよ。マクリーの腕が上がるまでは、しばらくボクが照準を合わせる事にしてあるから」
「『モン・フェリヴィント』の中では、カズキの
「任せてよ!
イラリオとマクシムが戻ってきた。その後ろでは、数人がかりで見た事のない機体を運んでいる。
あれがこの『メーゼラス』の機体———
「今回の
マクシムは
「『
「はぁぁ!? 期待はずれもいいとこだ。……お前みたいな男女に、俺様の相手がつとまるのかよ!」
飛びかかろうとする前に、クラウスに止められてしまった。
……くそぅ。一発殴ってやりたかったのにぃぃ!
「
衛兵の一人がそう言うと、ボクらは機体へ乗り込み準備をする。
「マクリー。絶対勝つからね!」
「わかってますよ、カズキ! 吾輩頑張るのです!」
マクリーを専用座席に乗せて
断崖の一際高い頂きに立つイラリオが、威厳を携えた声音を放つ。
「では改めて、ルールの説明をする。500m先の下方に
イラリオの説明を聞きながら、ボクは前方に目を馳せた。
両脇の断崖からはそれぞれに向かって声援が投げかけられた。風竜からの声援が、ボクに力を与えてくれる。
「……二人とも、準備に抜かりはないな? これより『メーゼラス』の掟に則った、
イラリオの隣に立つヴェルナードは鞘から剣を引き抜くと、均整のとれた体を軸として、刀身を高々と天へ突き上げる。その凛々しい立ち姿に、二人の後ろにいる『メーゼラス』の
「……へっ。俺様の速さは『メーゼラス』でも三本の指に入るんだ。そんなヘンテコリンな乗り物なんかに、負けるもんかよ!」
「あにおぅ! 速さだったらボクは『モン・フェリヴィント』で一番だよ! アンタなんかあっという間にぶっちぎってやるんだから!」
ボクとマクシムは
……アンタなんかに、絶対負けないんだから!
「……其方たち。言いたい事があるのなら、この
ヴェルナードが嗜める様にそう言うと、緊張感が場を支配する。張り詰める空気。咳一つ聞こえない。
ヴェルナードが翳した刀身から、翠緑に輝く風の
「マクリー! 行って! 最初から飛ばすよ!」
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