きっちゃてん
「はいよ。豚丼だ」
「なるほど。素材を丁寧に生かした。つくりだな。焼き方が絶妙で香りも素晴らしいスパイシーで。甘辛いタレとご飯が奇跡の融合を果たしている」
「早よくえ」
「ぶひっ」
豚人間は只の豚と区別する為に豚ヒューマノイド。あるいは豚ーまんと呼ばれている。
「豚ーマン。どうだ。味は。俺の作った豚丼の味は」
「さ、さいこうぶひ、それしか言葉が出てこないぶひ」
「いや、他にも単語出て来ているじゃないか。このライアーめ」
ライアーとは嘘つきの事である。つまり説明しよう。豚店主は豚ヒューマノイドに対して嘘豚と呼んだのである。
「ぼ、僕は嘘豚、嘘付き豚ではない豚。そんな事したら僕は只の豚と変わらない豚」
「豚は言葉を発さない。つまりあんたは只の豚以下って事だぶひ」
「ひ、酷いぶひ」
「というのは冗談で」
「分かっているぶひ。いつおの僕達のやり取りぶひもんね」
「ぶひもん。なんか可愛いな。響きが」
「そんなキャラいそうだぶひね」
とそんな会話を豚客としながら店主はグラスを付近で磨きながら笑った。鼻をスンスンさせて。
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