第7話:目には目を歯には歯を・テンプル方伯視点

「方伯殿、どうか、どうか許して欲しい、この通りだ。

 余は知らなかったのだ、知っていたらあのような事はしなかった。

 もう絶対に皇族の方に非礼な態度はとらない。

 アルバート皇帝陛下に臣下の礼をとらせていただく。

 だから王家を滅ぼすのだけは許して欲しい」


「何か勘違いしているようだな、テレンス王。

 帝国は無暗に王家を滅ぼしたりはしないぞ」


「「「「「オオオオオ、ありがとうございます」」」」」


「帝国は皇族が受けた屈辱の範囲でしか報復をしないのだ。

 マーシャム王家のように恣意で法を捻じ曲げたりはしないのだよ。

 だから、マーシャム王家がソフィア嬢に行ったように、全王族を性交渉を認めた四十年契約の下級侍女として売り払ってやるだけだ」


「いやあああああああ、ゆるして、ゆるして、ゆるしてください」

「なんてひどい事を、それでも方伯は人間ですか」

「そんな、ひどい、ひどすぎます。

 帝国は、アストリア皇室は悪魔ですか」


「黙れ、腐れ外道!

 最初にこの条件でソフィア嬢をテンプル方伯家に売ったのはネルソン子爵だ。

 そしてそれをやらせたのは今私を罵ったお前、ナタリアであろう。

 その許可を与えたのはテレンス王、お前だ。

 自分がやった事と同じ事をやられて文句を言うか、ナタリア、テレンス。

 信じられないくらい恥知らずだな、マーシャム王家は」


「知らないわ、私はそんなこと知らないわ。

 私は王家に嫁いできただけで、そのような悪行には関係していないわ」

「私も関係ないわ、母上が勝手にやった事よ」


「そのような見苦しい嘘や言い訳が通じるはずがないだろ。

 男共も安心するのは早いぞ。

 女だけが罰を受けるのでは不公平だからな。

 男も性交渉を認めた下級使用人として四十年契約で売り払われる」


「「「「「そんな」」」」」

「父上のせいだ」

「叔母上が悪いのだ、叔母上があのような事をしたから、我々までこのような目にあうのだ」

「我々は無関係だ、王子として正当な裁判を要求する」


「黙れ!

 これ以上ひと言でも勝手に話したら売春宿に売り払うぞ!」


 屑どもが、優しく言ってやればつけあがりやがって。

 ここは本気でぶちのめしてやるか?


「最後に一つだけ警告しておいてやる。

 俺は我が妻を奴隷同然に扱ったマーシャム一族を嬲り殺しにしてやりたいと、心から思っているのだ。

 今は帝国の全権軍司令官として我慢しているだけで、今直ぐにでも帝国に伝わる拷問の数々を味合わせてやりたいと思っているのだ。

 今からひと言でも勝手に話したらこの手で拷問してやる。

 逃げ出そうとしたら、拷問した上で侍女や使用人として売るのではなく、男も女も性奴隷として売り払ってやる。

 分かったか!」

 

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