第4話:遠縁
大きな声とともに入って来た男性を見てびっくりしました。
まるで巨人族のような大きな体だったのです。
しかも護身術しか学んでいない私でもわかるほど強い人です。
「おおよく戻ったな、アンソニー国王陛下のご機嫌はいかがだった」
「はっ、皇帝陛下からのご命令に従う準備はできているそうです」
「それはよかった。
いかに皇帝陛下からの命令であろうと、全部我らが勝手にはできんからな」
「はい、皇帝陛下の温情で属国の王に送り込まれた人とはいえ、皇族の方を無視するわけにはいきません。
それと元々カーク王家に仕えていた貴族の感情も無視するわけにもいきません」
最初はなに話しているのか分かりませんでした。
ですが話しを聞いているうちに徐々に分かってきました。
アストリア帝国がカーク王国に皇族を婿を送り込んで属国化したわけです。
テンプル方伯家は、送り込んだ皇族とカーク王家の見張りなのですね。
「おお、もしかして貴女がソフィア嬢かな。
よく来てくださった。
これで皇帝陛下の命令をはたすことができる」
えええええ、私を助けたのは皇帝陛下の命令なのですか。
「これ、ランスロット。
まだ自己紹介もしていないではないか」
「おお、そうであった、申し訳ないソフィア嬢。
私がテンプル方伯家の当主を務めるランスロットだ。
以後よろしく願いたい」
「いえ、とんでもございません、テンプル方伯閣下。
私の方こそあのような家から救い出していただき感謝の言葉もございません。
モンタギュー様にもお伝えさせていただきましたが、今の私には何のお礼もできませんが、受けたご恩は必ず返させていただきます」
「おお、そのようにへりくだったあいさつ痛み入る。
父上、まだ何も説明されておられないのですか?」
「ああ、まだ何も話せていないよ」
「では私から話させていただきましょう。
ソフィア嬢は遠い昔に皇室から別れた高貴な血筋なのですよ。
そして我がテンプル方伯家とも遠い親戚になる。
私もそろそろ結婚を考える歳になり、妻を迎えようと思ったのだが、皇帝陛下からソフィア嬢を妻に迎えるように命じられましてな」
まって、まって、ちょっと待って。
あまりに話が急すぎて理解できません。
適齢期を迎えられたテンプル方伯が結婚を考えるのは分かります。
方伯家ほどの家柄なら皇帝陛下が結婚相手を決めるのも分かります。
「どうしてテンプル方伯閣下の結婚相手が私なのですか。
なぜ皇帝陛下が私を指名されたのですか。
帝国の皇帝陛下ともあろう御方が、遠い小国の嫌われ子爵令嬢の事を知っておられるとはとうてい思えません」
「ああ、それは帝国の守護神様のお告げなのだよ。
その事で重大な話がある。
皇帝陛下の命令で急いで帝都に向かわなければならない。
今日屋敷に着いたばかりで疲れているだろうが、明日の朝には帝都に向かって出発したいのだ」
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