第31話 番外の番外
一美から電話がきた
家で仕事中だったので、ビデオ通話にして、PCへの入力を続けながら話していた
「今度のクラス会、祥子は出席出来る?幹事は、ひよりだってよ。なんでも最近離婚して地元に帰ってきてるんだって」
「え?ひよりって結婚してたの?」
離婚よりも結婚してたことに驚いた
クラスメイトの近況をアレコレ聞けば懐かしくなったけど
「クラス会は日程的に難しいかなぁ」
「そっか、残念。ところでさぁ…」
「ん、何?」
「えっと、その…ちょっと聞き辛いんだけど」
「うん、だから何?」
手を止めて一美の表情を伺えば
真っ赤になってる?
「綾って、性欲強い方なの?」
「は?」
「いや、あのね。そういうこと全然なくてもずっと一緒にいてくれるって言うんだけど。ほんとは私のことそんなに好きじゃないのかなと不安になったり、そうだとしたら申し訳ないなと思ったり....あぁ何言ってるんだろ私...」
「一美... ?可愛いな、オイ」
クスッと笑えば
「笑い事じゃないんだよ」と拗ねるし
やっぱり可愛い
「ん~綾は、案外そういうのは淡泊かもしれない。お互い忙しかったしすれ違いも多かったから、回数は少なかったような・・ただ・・・」
「ただ?」
「する時は激しかったけど」
「そ、そうなんだ…」
「あのさぁ一美!わかってると思うけど。綾は、好きでもない子と一緒に暮らしたりしないよ。本気じゃなきゃ続かない。信じてればいいよ、っていうか、嘘つけない人だから」
「そうだね」
だから何も言わずに出て行ったんだと
今なら分かる
傷つけないような嘘が言えないから
言葉にしたら私を傷つけると思ったから
もう時効なんだけどな…
「ねぇ、一美!クラス会に綾は出席するの?」
「一応出席。ただ仕事が急に入るかも」
「そっか、私も一応出席にしとこかな」
「ん、了解」
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