第25話 お花見

一日の寒暖差にご注意ください。


テレビの中の人が言っていた


「もう春だねぇ」

ポカポカ日和だと思って油断してると

突然、ブオッっと突風が吹く

「ほんとだ、春だ」

「春一番?」

「わかんないけど」


「みんな適当だなぁ。春一番とは、立春から春分の間に初めて吹く南寄りの強い風のことを言う」

「へぇぇ、じゃ春一番が吹かない年もあるの?」

「え?あるんじゃない?」

「どうせググっただけでしょ?」

「違うよ、気象予報士がテレビで言ってた」

「なんだ」


「春の新作、作ろうかなぁ」

「あ、玲香さん話題変えましたね」

「ナイスフォロー?」

「いいねぇ、新作!桜餅みたいな?」

「それ、和菓子じゃん。新しくないし」

「桜餅みたいな洋菓子は新しいでしょ?」

「ん〜想像出来ない」


「桜の塩漬け使おうかな」

「あ、それなら想像出来そうだ!」

「シフォンとか美味しそう」


「みんな花より団子だな!」

「桜餅は作ってきたよ」

「まじで?」

「やった!」

「さすが玲香さん、ほんと祐さんには勿体ない」

「あん?何か言った?」

「いえ」



今日は、4人でお花見に来ている

近場だけれど

川沿いに咲く桜は綺麗だ

水面に映るのも良い


散り始めたら、川が散った花びらでピンク色になるらしい

それも見てみたいなぁ


広場では、近くの介護施設の方達かな?

車椅子やシルバーカーでお花見を楽しんでる

笑顔が素敵だ


「ちょっと行ってくる」

祐さんは、カメラを抱えて走って行った

確かに、あの笑顔は撮りたくなるだろう


「あんなふうに・・・」

歳を重ねていけたらいいなぁ

「そうだねぇ」


「え、心の声聞こえた?」


その微笑みは

“しょうちゃんの考えそうなことなんてお見通し”って感じかな



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