第24話 一目惚れ

「ねぇ、しょうちゃん。あれって、どういう意味?」

ベッドに移動してからも、ゆきに抱きしめられていた

今日はこの安心感のまま眠れそうだ


「ん?何?」


「お母さんに会う前に“ゆきなら大丈夫”って言ってたよね?」

「あぁ、ゆきは。。誰でも受け入れるし受け入れられるから、大丈夫だと思ったんだ」


「え、なにそれ?」

「自覚ないの?ゆきのこと良く思ってない人でも、いつのまにか仲良くなってるじゃん、一種の能力じゃない?」

時々、それでヤキモキするんだけど

「そんなわけないじゃん」とクスクス笑ってる

そんな能力あったら、とっくにしょうちゃんに使ってるし…と言う


「使われてるよ、はじめから」


「え?はじめからって」

ゆきは抱きしめた腕を緩め、私の顔を覗き込む


じっと見つめられると、顔が熱くなるのが分かる


「なに?」


「それって」と言いながら

赤くなっているだろう頬に手が触れた

「一目惚れ?」

じゃないか、と一人で突っ込んでる

一目で好きになられる程可愛くないし、と目を伏せる


今度は、私がゆきの頬に触れる

「可愛いよ」と軽いキスをする

一瞬で目が潤んだ


「嘘、もっと可愛い人や綺麗な人、しょうちゃんの周りにいっぱいいるもん」

ちょっと拗ねたように言う


「顔や容姿で好きになるわけじゃないでしょ?初めて、ゆきを見かけた時の患者さんとのやりとりにね。あぁ、なんかいいなぁって思って。気になってその後もつい目で追ってたら、面白い子だなぁって思って。ん?これって一目惚れ?」

「知らないよ」

いつの間にか、顔が真っ赤になってるし

やっぱ、可愛いじゃないか


思わず、深い口づけをする


今夜はこのまま眠ろうと思ってたけど

無理そうだ


「ねぇ、しょうちゃん。私のどこが好き?」

「もちろん、身体」

「ばか…」

「この状況で聞くから…」

「うぅぅ」

「もっと可愛いゆきが見たいな」

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