第19話 残り香

人の気配で意識が浮上した

えっと、今日は何曜日だっけな


ふわっと、嗅ぎ慣れた匂いを感じた

ん?


「あれ?しょうちゃん?」

「起こしちゃった?」


あ、寝てたのか


「はっ、しょうちゃん病院に泊まるって言ってなかった?」

「うん、落ち着いたから帰ってきた」

「今、何時?」

「2時」


「勝手にしょうちゃんのベッドで寝てごめんなさい」

「ん?いいよ、そんなの。いつも、綺麗に直さなくても、そのままでいいからね」


え?

ちゃんと、寝た後はベッドメイキングしてたのに、もしかして


「気付いてたの?」

「うん」

当然でしょ、って顔をして

髪を撫でてくれる


「なんで?」

「ゆきの匂いが残ってるもん」

「えっ」


「あぁ、ゆきの匂いだなぁって思うと良く眠れるよ、時々ムラムラするけど…」

と言いながら

胸元に顔を寄せてくる


心臓が暴れてるのが分かるけど

そのまま頭を抱き寄せる


このまま、もう一眠り出来るかな

眠らなきゃって思えば思うほど

ドキドキが強くなる


「ごめん、ゆき。今日はムラムラの方かも、しても、、いい?」

上目遣いで見るから


「うん、私も、、したい」

素直に求めた




「やっぱり残り香より本物の方がいいね」と言って

いきなり首すじへのキスで始まった

「あっ…」

うなじから耳へと移動する刺激に思わず声が漏れる


「ねぇ、私がいない時は1人でするの?」

耳元で囁かれビクりとする

「し、しないよ」

思いがけず大きな声で否定してしまい

逆に怪しまれた?

「ふぅん、そうなんだ」


なんだか今日はいじわるモードのしょうちゃんに喋らせないように自分からキスをする

「ん…」

じっくりと、とろけるようなキスを続けていると頭の中心が痺れてくるようだ

夢中になってたら、いつの間にか脱がされて、主導権はまた、しょうちゃんだ


あちこちにキスを降らせながら

手は胸の膨らみを弄んでいる

あえて中心を触らず焦らされて疼く

「しょうちゃん…お願い...」

フッと小さく息を吐き、舌で舐め上げられた

「あん…」

ピクリと背中が跳ねた

口に含み転がされると快感が押し寄せる

逃がすためにシーツを掴んでいると

しょうちゃんの手が私の手を下腹部へと導く

「え?」

「自分でしてみて」

「なんで?」

「私がいなくても寂しくないように」

「え…や…」

私の反論を唇で塞ぎ、胸への愛撫が激しくなる

深く考えることが出来なくなって

感じるままに指を動かす

「うっ..ふぅ..」

徐々に高まっていくのがわかる


ふいに、手を掴まれ離される

「まだイカないで我慢して」

「うっ..うん、しょうちゃんが欲しい」

「いい子!」

そう言って足の間に入ってくる

1番敏感になっているソコに口づけられ

突起を舐められ

「はぁぁあぁぁ」

我慢のしようがなく、あっけなく達した


体を起こし見下ろされながら

まだヒクついている場所へ

ゆっくりと指を沈められると

キュンとなる

「うぅっ」

「中、あったかい。締め付けられるし」


落ち着いてきた頃

ゆっくり動かし始めるから

「やっ、また、、」

「気持ちいい?」

「うん、いい...」


キスをしながら

徐々に動きが早くなって

また波が来る

「しょうちゃん、また...」

「うん、いいよ」

「しょうちゃん、大好き..」


その瞬間、意識を手放した

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