第13話 待てない

「えっと、これはどういう状況?」



昨夜は処置が終わらず、病院に泊まった


ゆきから連絡があり、美樹が酔い潰れたからウチに泊める ということは知っていた

知ってはいたけど


帰ってきた私が目にしたもの


寝室の床に転がる

ビールの缶やワインボトルやら

スナック菓子の袋やら


あとは

ベッドの上で眠る、下着姿の2人



「あっ、しょうちゃん?え?…あ、美樹ちゃん起きて!」

毛布で身体を隠しながら、焦りまくる


「んん?しょうこさん、おはよーございます。ん?」



「あぁ、いいよ。2人とも休みでしょ?私、ちょっと、ゆきのベッドで寝てくるから」

と、背を向ける


「美樹ちゃん、とりあえず服着て。あ、先シャワー浴びてきて。私、片付けとくから」という声を聞きながら

ゆきの部屋へ入る

とにかく眠くて。



目が覚めたのは、お昼前だった

リビングへ行くと


美樹が正座していた

ソファの上で。


「すいませんでした」

開口一番、そう言って頭を下げる

「服が皺になるからって脱いだだけで、誓って何もしてません」と続ける


不安そうに見上げる美樹に近づいて

美樹だけに聞こえるような小さな声で

「ゆきに手出したら、どうなるか分かってるよね?」


ビクリと身体を震わせて

「はい。」と答えるから


思わず、ぷぷっと吹き出した

「冗談だよ」と頭を小突く


「はぁぁ、まじでビビる」

美樹が、気の抜けた声を出したところで


「ご飯出来たよ〜」と、キッチンから、ゆきの声がした



ランチを食べた後、美樹は帰っていった



「さて」

「え?しょうちゃん?」


腕を掴んで

「行くよ」と言う


「え?えぇ?」


寝室は綺麗に掃除がされていて

ベッドメイクも完璧だった


「朝の下着姿見てから、ずっとムラムラしてたんだから。責任取ってもらうよ」


あっという間に組み伏せる


「えっ、ちょっと待っ....」

「待てない」

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