第3話 「運命との邂逅②」
「実は、スマホの充電がなくなっちゃって帰れなくなっちゃった(てへ)」
高島さんはそう言いながら片目ウィンクをした。
「あはは…」
僕は少し苦笑いをした。
高島さんは遠くの方を指さした。
「さっきね、あそこで買い物してたんだよね。で今帰ろうと思ったんだけど昨日充電してなかったぽくてもう充電無くなっちゃった!!(あせあせ)」
あそこのショッピングモール結構遠いぞ(笑)
あの高島さんが意外とお茶目だった。話を聞いた感じだとどうやら近くのショッピングモールに行って買い物をしたらしい。手に持っていた荷物もそこで買った物だそうだ。でも昨日充電しわすれたせいで残りの充電もなくなり地図も使えない、電話もかけられないという状況で帰れないみたいだ。可愛い……
「い、いえ、すぐそこだから休んでく?」
やってしまったぁ。何言ってんだ、俺。ドン引きなんだろうな。
「えっ」
高島さん反応に困ってるし、絶対引かれた。
「ごめん、やっぱりなんでも……」
「いく!ついでに充電させてよ」
絶対勘違いすんなよー。高島さんも言っている、ただ充電したいだけだ。
「充電器でもなんでも貸すよ」
「ありがとう」
「じゃあ、いこっか」
俺たちは家に向かった。
俺と高嶺の花の高島さんに接点はないが、実は俺らが話したのは今のが初めてじゃない。君は覚えていないだろう。六年前のあの夏を。
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