転校生たち
第21話 それぞれの一か月間
牧場での一件から一か月と少しばかりが過ぎた。
戦意を喪失した三人は謎の首輪を真咲たちに着けられ(能力を封じると言う設定らしい)、運命の魔女(笑)と全身包帯ウーマンはライトロードの構成員を名乗るエキストラに連行された。
そして無敵の魔女ことヴィリは、何故か俺の家で泊まり込みで家政婦的なことをしている。意味が解らないがどうやらメンタルをやられてしまったそうで、預かってほしいとのこと。
意外なことに義母は「――なるほどね……まあ良いわよ、と言うかあんたの家だし」とのことで普通に受け入れた。
それからの俺たちだが――。
新聞部女子三人は何かを決心したようで、今まで以上のスキンシップと変態プレイをしてくるようになった。
そして俺たち男子部員は無駄に仲良くなっていた。
実は女子三人の出席率は低く、俺も滅多な事では部室には行っていなかったのだが、上二人はほぼ毎日通っているようだ。そしてふと行ったときに、性癖についての下ネタトークで盛り上がった。
二人ともとんでもない性癖で、男同士の下ネタは楽しかった。
「俺は女の痴態を想像してオナ〇ーするのが好きなんだ」
とは黒野兄。そのせいで今までたくさん彼女が居たのに童貞なのだそうだ。
「僕は寝取らせ趣味と言うんですかね、彼女を他の男に抱かせるのが好きなんです」
その為にたくさんの彼女を作って、たくさんの男に抱かせているようだ。人間の屑が、この白戸が。だが、実は解る。俺も結構牧場とかの一件(香のアレ)は興奮したし。
そんなこんなで仲良くなり、ほぼ毎日部室で盛り上がっていた。
秘かに、白戸が連れてきたアイドルとヤらせてもらったりした。もう俺死んでも良いわ。
あとクラスの男子の一人、確か茂部とかいうやつとも仲良くなった。初めての高校での友達である。明らかに新聞部女子三人目当てなのが分かるが。
俺は新聞部としてやっかみを受けることは少なくなっていた。黒野兄がよく学校の中で一緒に居るようになったからだ。
女子からは二人を目当てに言い寄られるようになった。
そして今は七月最初の日曜日――。
明日からの期末テストに向けて、俺と女子三人でサオの家で勉強中だ。
テストが返ってきたら、待望の高校初の夏休みだ。
「どうして彼が居るのかしら?」
「そうだよ~、と言うか誰なのこの人?」
「ふええ……知らない人怖い……」
実は茂部も居る。
三人の服装は実にエロく、茂部は鼻の下を伸ばしている。
真咲は薄いキャミソールとホットパンツ。サオは短いワンピースで、香はノースリーブのシャツを着ている。
「酷いですよ! 俺は茂部、真咲さんは同じクラスじゃないか!」
「そうなの? 興味無かったわ」
「ひでぇ」
とか何とか言いつつ、真咲の谷間を凝視している。
「ねえねえ! 気分転換も兼ねて遊ぼうよ!!」
サオは明るく言い放つ。明日テストだぞ。
俺たちの学力を語るなら、全員普通のレベルだ。
黒野兄と白戸は天才で、「授業受けてれば解けるじゃん」系の憎たらしい奴らだ。
真咲は必死に頑張って高得点を取る側、俺とサオはそこそこやって普通くらいの点数を取る側。俺とサオ以上に頑張って低い点なのが香、まったくやらずに低い点を取るのが茂部。
「いいわね、なら王様ゲームでもやる?」
「ふええ、これが箱です……」
「これが数字書いた紙と王の紙ね! 入れるから~」
やけの準備の良い三人はてきぱきと教科書などを片付けて、箱をテーブルの上に置く。
努力家で真面目な真咲すらノリノリなところを見ると、最初から計画していたのかもしれない。茂部がいたのは予定外だそうだが。
「やっべ……興奮してきた」
「お前……勃起すんなよ、早いよ……」
茂部はすでに勃起していた。
え、エロいこともありなの?
「よし、引きましょう?」
「てっ、なんでおかーさんが居るの!?」
何故か金井母が居た。
「良いじゃない、私にもやらせて」
そう言って紙を一枚追加して箱に入れた。
「じゃあ、引くわよ――」
真咲の号令で、王様ゲームが始まった。
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