第14話 感応しちゃおう

 休日に茶柱香はとある男を追跡していた。


(……ど、どうやってあんなに空気感出せるのぉ?)

 物陰に隠れて追うのは、口笛を吹きズボンのポケットに手を入れて歩く裏の世界では通りすがりの一般人と言われている男だ。


 裏のありとあらゆる組織、異能者がその存在を知ろうと観察した。しかし誰も彼の正体を明かすことは出来なかった。

 今彼女の目から見ても普通の、どこにでもいる男子高校生にしか見えない。


 気が付けば、彼は公園の茂みに身を潜めていた。

(何を見てるのぉ?)


 自身も隠れ、彼の見ている方を見る。そちらには青姦をしているカップルがいた。


 ジュチュ――。

 内と外で何かが濡れる音がした。


(ハア……ハア……くう、か、感じてきちゃう……)


 茶柱には感応能力があった。特に性や食欲などに強く反応し、自身の能力範囲内に昂っている人間がいると、無条件に感応してしまうのだ。


 カップルの青姦の興奮を感応し、自身も濡れてきてしまう。ミニスカートを穿いてきた彼女は座り込み、草陰に身を隠している。


(お嬢ちゃん……運が悪いねぇ……おじちゃんに見つかるなんて)

(え? な、何するのぉ! やめて)

(あんまり大きい声出しちゃうとバレるよ? 覗き見)


 突如現れたホームレスに後ろから胸を揉まれた。顔を横に付けられ、頬を引っ付けられる。気持ち悪い、そういった感情に彼女は鳥肌が立つ。


(柔らかいのお~いいもん食ってるからこんなに大きくなるんじゃね)

(いやっ、はなして)


 汚く、真っ黒な手が彼女の豊かな爆乳を揉みしだく。手に収まりきらない爆乳は、指を沈めていく。


(おろ? どうやらお嬢ちゃんも感じてるみたいだの)

(ふえ? ど、どこ触ってるのぉ。やめて……)

 

 泣いてしまう茶柱。そんな彼女の濡れた割れ目を指でなぞる。感応能力のせいで元から濡れていた彼女ではあったが、ホームレスにはそんなことは知らない。


(あっちにおじちゃんの家があるから、行こうねぇ)

(うう、離して……)


 腕を振っぱられ、彼女は無理やりホームレスのダンボールで出来た家に連れられた。そこには新聞紙で出来た布団があり、そこに倒される。


 彼女が息を飲む。

 倒れた目の前には、黒く何かこびり付いたブツがある。


(可哀想だから選択肢をあげるよ)

(ふええ、なんですか)


 声が漏れたらどっちにも損であるため、二人は変わらずに小声で話す。


(これを舐めてしゃぶって綺麗にするか、下のお口に突っ込まれるか選びな)

(ふえええ! どっちもやです!)

(じゃあどっちもだねぇ)

(――! じゃ、じゃあ口で……)





「大丈夫だったか?」

「ふえええん! 怖かったです……」

「口を近づけないで、臭いから」


 口でどうにか綺麗にしていたら、通りすがりの一般人が現れた。そうして救われた彼女は公園のトイレで口を洗っている。


「どうして分かったのぉ? ううう」

「さあ? なんとなく」


 聞いたことがある。

 通りすがりの一般人は、何かの危機に現れると。これが彼の力なのかもしれない。


「と、取りあえずありがとうです……な、なにかお礼を」

「じゃあウチくる?」

「ふえ? 家でお礼をすればいいの?」

「まあ、何するかは任せるよ」


 茶柱は彼に家に一緒に向かった。

 何したか? 考え抜いて、ホームレスにしたのと同じことをした。


「――ど、どうでしたか?」

「ん~、サオの方が上手いかな」

「ふぁ!?」


 彼曰く、もうすでにサオと真咲にいろいろヤられているそうだ。


「――わ、私も負けません!!」

「え、ちょ、ちょっと」


 茶柱は彼を押し倒した。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る