古代の神器『ヌアネ』は現代では意外なもので。それを探す途中、淫乱魔女に襲われる。でも魔女の一人が僕を助けたせいで……
半濁天゜
第1話
さて、物語をはじめる前に、どうしても一つだけ言っておくべきことがある。
みなさんの文明が崩壊して
名前のセンスが最悪だし、文字遣いもルビもおかしいって? そりゃ文明崩壊の混乱と、
だから以下の物語は、僕がみなさんの言語に翻訳したもの。原典じゃないんだ。えっ? お前の文章は元から読みにくいし、そんなことはどうでもいい?
OK、OK。それならいいんだ。ご託はここらで切りあげて、さっそく物語をはじめよう。少しでもみなさんに楽しんで貰えますように……。
†
世界の最高学府・賢者の学院。その
「学院長、古代文明の神器・ヌアネの探索にいかせてください!」
僕たちの熱いパトスを晒し、覚悟を示す。
「ジョージ導師、エッセン導師、ついに君たちも知ってしまったか……」
学院長の顔に、深い苦悩が刻まれる。
「はい。千年前に滅んだ古代文明。その全ての叡智にアクセスする鍵。ヌアネを持つ者は、テレパシーで繋がるように、情報伝達ができたとか。つまり……」
「皆まで言うでない。魔導師なら、いや男ならば……、もう引き留めても無駄なのじゃろうな」
「当たり前だぜ学院長。古代の叡智の全て。つまりはエロいことも、あらゆるプレイが記録されているんだ! それを求めなきゃ男じゃないぜっ!」
ジョージが爽やかに啖呵をきる。そうだ、僕たちの心は一つだ!
「フォッフォッフォッ、そうじゃのう。して、どこを探すつもりじゃ?」
学院長が少年の瞳で、好々爺の笑みを浮かべる。
「文献によれば、ヌアネは
「そうか……。ならばもう何も言うまい。お主たちの成功を心より祈っておるよ。くれぐれも魔女たちに見つかるでないぞ……」
†
パシンッ! パシンッ! パシンッ! ……古代遺跡の中層。床が崩落した広間に、暴行の音が響く。ビッチの魔女二人に、僕を助けてくれた魔女・エイミーが縛られて、頬を張りつづけられている。
ビッチたちは”二十人以上の魔導師を慰み者にしてきた”と言っていた。ここで出ていっても力の差は歴然だ。エイミーを助けられはしない。
挙げ句、ジョージみたいに犯されておそらく魔力を失うだろう……。魔女は魔導師の貞操を奪うことで、魔力まで奪い自らのものとする。でも……。
「ったく、悲鳴の一つもあげてDT小僧をおびきだせないのかい?」
「オラオラァ! どうせDT坊やも近くでみているんだろう? 自分を助けてくれたこの子を、このまま見殺しにするつもりかい? このフニャチン野郎!」
くそ……っ、僕は意を決し、ビッチたちに姿をみせる。
「その子は味方だろ、もう止めろよ!」
変な誤解をされないよう、あえてエイミーの名前はださないでおく。
「出てきちゃ駄目、逃げ、痛っ!?」
長髪長身のビッチが、エイミーの髪を引っ張りあげ、無理矢理言葉をとめさせる。
「ようやくでてきたわね坊や。あんたもさっきのイケメンみたいに吸い尽くしてあげるよっ!」
「むざむざ
折れそうな心を、虚勢で支える。
「ふんっ! 鬼ごっこは得意みたいだからね。でも、こうしたらどうするかしら?」
グラマーな魔女が、エイミーを崩落した床、その穴の
「なにをする気だ!? 止めろよ、その子は関係ない!」
「ん~? 知らないねぇ」
言葉と共に、グラマー魔女がエイミーを穴に突き落とす。それをみた瞬間、いや、きっとそれを予感した時から。僕は飛翔呪文を唱えながら走りだしていた。穴に飛び込み、彼女めがけて加速する。
「DTのくせに泣かせてくれるじゃないかっ!」
魔女たちのあざけりと共に、脇腹と右足に激しい痛みが走る。呪文を撃ち込まれた!? だが今はっ!
全速力で彼女に追いつき、その肩と膝に手を回す。彼女を抱えるように、穴の底に着地する。
仙人の域に達した、極まった大賢者は。女性のふとももを見ただけで魔力を失うこともあるという。だからこそ、間接的にエロを得られるヌアネを求めているわけだが……。
未熟な僕は、エイミーに直接触れても、まだ八割くらい魔力を保てている。
彼女の縄を
「チェックメイトだ坊や。鼻血とアレを吹きだし白目を剥くまで可愛がってやるよ。さっきのイケメンみたいに!」
「あの小僧、
「黙れ!! ジョージを馬鹿にするな!!!」
ジョージの無念を思うと、胸と股間が張り裂けそうだ。それらの間で葛藤しつづけるのが魔導師の宿命だから。魔女たちが、美女と言って差し支えのない容貌なのが、せめてもの救いだろうか……。
色んな意味で激高する、僕の頭に顔を近づけ、エイミーがそっと耳打ちする。おとぎ話にある伝説の……? まさか、そんなことが!? でも、もう万策尽きているんだ。このまま犯されるくらいなら……っ!
彼女と手を取り合い、呪文の詠唱をはじめる。魔女たちの顔が驚愕と憎悪にゆがむ。
「下等な魔導師と
「私は魔女の誇りより、人としての誇りを選びます!」
頬が腫れ上がり、髪が乱れる痛々しい姿で。彼女は威厳に溢れ輝いていた。
「退くよクレア!」
「くそがぁ!!」
捨て台詞を残し、魔女たちは転移呪文で逃げていく。
その後、僕たちは呪文で傷を癒やし……。
荒れ果てた古代遺跡。その崩落した穴の底で。
「命がけで助けてくれてありがとう。私は……、はぐれ魔女のエイミー。貴方のお名前は?」
「僕は……、はぐれ魔導師のエッセン。僕の方こそ助けてくれてありがとう……。はぐれ者同士、仲良くしてくれると嬉しいな」
「もちろんよ! 貴方の魔力がなくならない程度に、ね」
悪戯に笑う彼女は、闇夜に浮かぶ月のように美しかった。
†
えっ!? スマホがでてないって?
いえいえ、ジョージの名字は、
だから
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KAC20215
お題「スマホ」
古代の神器『ヌアネ』は現代では意外なもので。それを探す途中、淫乱魔女に襲われる。でも魔女の一人が僕を助けたせいで…… 半濁天゜ @newx4
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