第1章 ヤンキー女子高生の下僕は生きて二年生に進級出来ました。
第13話 入学式に特攻は定例行事です(嘘)
先日出会った麗衣に似た流麗という少女と仲間達が麗を語る偽者である事は解った。
亮磨先輩に彼女達を説得してその様な行為を止めさせる事を約束した。
だが、何処へ行けば流麗に逢えるのだろうか?
如何にも不良が溜まりそうな場所に行けば逢えるかも知れないが、それは一寸怖いな。
流麗らが麗を偽称している以上、麗衣達に話した方が良いのだろうか?
そもそも、あれだけ似ていたら姉妹じゃないとしても、麗衣と流麗は何かしら関りがあるのではないかと思うが……。
ところが始業式の日に麗衣は来ていなかった。
「ふわぁ~私達は関係ないのに入学式なんて怠いわねぇ……」
俺の隣で勝子が行儀悪く大欠伸をしていた。
「まぁまぁ、澪達も入学してきているんだし、ちゃんと見ていてあげなきゃ」
今日は麗の後輩メンバー赤銅澪、吉備津香織、大友静江、吾妻香月の入学式だ。
一応進学校なので、四人全員が同じ高校に入るのは難しいと思うが、スポーツ推薦の澪も含めよく頑張ったと思う。
特に香織は教師から2ランク程下の学校を薦められたらしいが、直前の模試までに偏差値を10近く上げたと聞いたから、相当勉強したのだろう。
「そりゃそうだけどさ……、麗衣ちゃん、まだ来てないし、つまんないわ……」
勝子がその言葉を言い終わる直前の事だった。
校庭からバイクのエンジン音が響き渡り、その音は入学式真っただ中の体育館へ近づいてきた。
ん? また性懲りも無く
以前、校庭内でバイクを走り回らせた
だが、直後に響き渡った絶叫は邊琉是舞舞連中の物ではなく、聞き覚えがあるものだった。
「バっ……バカっ! 早くブレーキ掛けろ!」
「分かんないよ! てか! バイク壊れてるんじゃない!」
「アホウっ! テメーはブレーキも分かんねーのか! ぶつかるううううっ!」
そんなけたたましい叫び声とエンジン音を撒き散らしながら、体育館の側面に設置されているドアが凄まじい破砕音と共に勢いよく吹き飛ばされると、見覚えのあるバンディット250が体育館の中央を突っ切った。
「アホウっ! 運転代われ! 流麗!」
「ヤーよっ! 麗衣ちゃんのケツに乗ったら命が幾つあっても足りないしいっ!」
「ブレーキも分かんねぇテメーよりはマシだ! チャリンコも乗った事ねーのかテメーはああっ!」
口々に罵り合いながら、バイクは殆ど勢いを弱める事無く反対側のドアを突き破り、嵐の様に去っていった。
「……なぁ、勝子。ウチって一応学区内3位の進学校だよね?」
「えっ……ええ。一応そうみたいね」
「というか、今の麗衣だよね?」
「うっ……うん。多分そうだよね……」
流石の勝子もスクール○ォーズ以上に酷い惨状に言葉を無くしていた。
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