第13話 初めての温もり。
リアムに、濡れた髪をポンッと撫でられる。
「・・・うん。これで良いだろう」
水が滴っていた髪は、ふわっと舞い上がると一瞬にして乾いていた。
リアム曰く、風と火の複合魔法らしい。
(ドライヤー要らずかよ)
魔法って凄いんだなぁと、しみじみ思った。
「おやすみ、ソフィア」
「・・・うん。おやすみぃ」
欠伸を噛み殺したリアムの手によって、私はベッドに突っ込まれ――正確には、リアムごとベットの中にいる。
流石にベッドは分けるべきだと思ったのだけど、この家にベッドが一つしかないと言われてしまえば納得するしかない。
何より、リアムの腕の中は安心感が凄い。
リアムって、着痩せする?タイプかも。
細く見えるのに、がっしりとした筋肉が・・・。
これが、巷で噂の「細マッチョ」?
うん。これはときめいちゃうのも分かる気がする。
いやいやいや、私は違うよ?
でも、まぁ・・・何というか、幼女ですし・・・ね?
・・・この安心感っていうの?
・・・逆らえない・・・よね・・・。
この世界に来て初めて感じた人の温もり。
私はきっと、一生忘れない。
『・・・今度こそ、幸せな幼少期を過ごしてくださいね、トモコ・・・』
どこからか降ってきた女性の声は、誰にも届くことなく夜の闇に吸い込まれていった。
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