中幕 無姫篇
第50話 修行の旅・母校の地
今、私は母校【青華女学院】のある都市【学園都市パリアルスト】に来ていた。
実は、あの時、【サイバー・コア】が襲撃された事件の後、あることが起こっていた。
【サイバーテロ終焉後】
「それじゃあ、白斗達は行くのか?」
「うん、僕達は力をあげる必要がある。神として、悪栄教を倒さないといけないから。」
「でも主はまだ未熟、だから世界を廻ってみようと思います。」
その場面は白斗達が旅立とうとしている場面だ。
「それなら【WBTC】に出てみるのはどうだ?」
「WBTC?」
「ワールドバトルトーナメントシップ。世界の猛者たちが集まる所。TOP 8になると防衛軍の隊長クラスが殆ど。ここなら合法的に格上と戦える。どうかしら?」
「たしかに、悪栄教と戦うのには防衛軍との模擬戦をしておいた方がいいね。」
「普段は会えない人達とも戦えることを考えるといい機会、と言えるわね。」
「これは毎年8月に行われるんだ。」
「1ヶ月前、私も出たけど、初戦敗退だったわ。」
「リアがそこまでか…。」
「俺はTOP4だった。TOP 4に神崎隊長、準優勝が七聖隊長、優勝が九重隊長だ。」
「そしてこれの優勝賞品がアーティファクトだということもわかっている。」
「アーティファクト?」
「ああ、世界最高峰の武器とも呼ばれるもの、これが有れば実力は鰻登りだ。」
「物によってはいい感じですね。私達は多種多様、使える者もいるかもしれません。」
「とりあえず時期は11ヶ月後、そこまでに隊長クラスまで鍛えないといけないってことだね。」
「ああ、でるんだったら容赦はしない。返り討ちにしてやるさ。」
「俺も全力で行くぞ。サイアスさん。」
「望むところだ。」
そんなこんなで私も【WBTC】に出ることになって、それまで私一人で修行の旅に出ることになった。
今までも精霊の地などの場所を巡ってきたが、今回は【パリアルスト】にアーティファクトが眠ると聞いて、やってきたのだった。
(あるとするならば、この街 1番のダンジョン【学園の庭園】未踏破ダンジョンで世界屈指のダンジョン。今の私では無理だから、力をつけないといけない。)
「取り敢えず、能力の研究をしようか。」
【野原】
「う〜ん、こんな感じかな?」
私は私の能力【創成】の練習をしていた。
もともと、私の能力は【自然支配四季夏式】という能力。
だけどこれは私の【共鳴】からの能力だった。
私は【共鳴】で四神【朱雀】と共鳴し、自然支配を使っていた。
もともと共鳴率が高かったから、実力はティアナード家の中でも圧倒的に上位だった。
でも、本当は違った。
ある出来事で私に【創成】が宿ったことで、【自然支配】が【共鳴】からの能力であることに気づいた。
私は才能無し。朱雀に頼りきった存在だった。
それで、あんなことを言おうなんて今考えれば無茶苦茶だと思う。
ユーアもニアも才能があった。エイトさんとシアさんも凄く強かった。
だから、私は【共鳴】で白斗と共鳴し、力を開花させた。
まさかこんなことになるとは思ってもいなかったけど。
【白斗達が旅に出る前】
私は、白斗の部屋に白斗といた。
「白斗君はこれからどうするの?」
「そうだね。俺は神になった。神として、悪栄教を討伐する為に、修行の旅に出るつもりだよ。」
「旅に…か…。」
「どうしたの?リアさん。」
「私の能力は【自然支配四季夏式】と【共鳴】だと思ってたの。」
「そうだね。そう聞いてたよ。」
「だけど【自然支配】は朱雀との【共鳴】で手に入れた物だってエイトさんに言われたの。」
「そうなんだ。」
「私は誰かに頼ることでしか強くなれない、そう思った。」
「…。」
「そんな時に貴方がいた。同じ【共鳴】を持つことに運命を感じて、それに何よりあなたの優しさに救われた。」
「そうか。」
「私は無力だから。私に才能はないから…。」
「それは違うんじゃないか?」
「え?」
「リアさん、人に才能なしの人なんていないんだ。リアさんは【共鳴】がある。確かに他人頼りの能力にしか見えないかもしれない。けれど、それは逆に捉えればいろんな能力を手に入れて誰よりも強くなれる可能性もあるってことだ。」
「白斗君…。」
「なぁ、共鳴してくれないか?同じ【共鳴】を持つならいけると思うから。」
「うん…。」
「「【共鳴】」」
その時、リアの眼が変わった。
「?眼大丈夫なの?」
「うん、私、どうなったのかな?」
「多分、俺の影響で神化したのかもしれないね。」
「神化…。」
「多分少なくとも肉体は神になっているはずだよ。それに…。」
「【創成】…。」
「うん、リアさん自身の力、手に入れられたね。」
(本当、感謝しかない。ここまでやってくれるなんて。)
「ねぇ、白斗って呼んでいい?」
「うん。俺はリアって呼ぶよ?」
「うん、嬉しい。」
「私、目指すよ。貴方の元ヘ行きたいから。」
「今でもいいんだよ?」
「ううん、私が許せない。この力を使いこなせて、みんなと同じ土俵に立つまで絶対に行かない。」
「そうか。」
「待っててくれる?」
「待ってるよ、いつまでも。」
(やっと叶った、私の願いが。そして、私の新しい世界。)
「ありがとう、白斗。」
そうして、私は新たな能力と共に、修行の旅に進んだのだった。
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