後幕 龍神篇

第65話 指名依頼



俺達が修行の旅に出て3ヶ月が経った。


俺達は【WBTC】に向けて修行をしつつ、ギルドの依頼をこなしていた。



「かなり強くなったんじゃないか、ニア?」


「そうですかね…まだみなさんには及ばないので…。」


「ニアは頑張り屋なんですから無理してはいけませんよ。」



その日は俺とエイト、ニアで修行をしていた。



「でもユーア様は【言霊】や【思想現実】をしっかり使って戦えてるし、シアちゃんも【自然支配】を完全に使って、今は別世界の自然も使えるようになってる。白斗様とエイト様もお強いですから…。」


「それでもニアも【SS級】はあるじゃないか!」 


「足手まといにはなりたくありません!!」



そんな感じで俺たちは修行をしていたのだった。



【上原家・リビング】



「みんな!ちょっといいかしら?」


ユーアがみんなを呼び止めた。


「なんだ?ユーア、何かあったのか?」


「何かあったっていうより、ギルドに関して何だけどね…。」


「ギルド…依頼ですか?」


「ええ、何と!指名依頼が来たのよ!」


「指名依頼!?」


指名依頼とはギルドのメンバーに指名で依頼される依頼のことである。一般的には強力なパーティーや功績のあるパーティーに指名されるものである。


「悪栄教討伐、防衛軍からの表彰、そろそろとは思いましたが…。」


「それは受けた方がいいんじゃないのか?」


「いいえ、そんなこともないの。」


「ん?どう言うことだ?」


「今回の依頼人が謎の人物だということよ。」


「謎の人物…ですか…。」


「ええ、容姿は私たちと同じくらいの女の子だけど、フードやスカーフで顔を隠しているらしいの。」


「力は隠していたらしいけど、かなりの腕前。ちなみに金髪らしいわ。」


「お忍び、と言うことですね。」


「どういうことだ?」


「大体指名依頼をするのは金持ちが多い、本来なら自分の凄さを示せるチャンスなのです。それを隠すと言うことは、王の関係者、もしくは、素性を隠さないといけない人物だということですよ。」


「なるほど、取り敢えず会ってみるのがいいんじゃないか?」


「そうですね、一度会って確かめることもできますから…。」


「わかったよ!なら明日会えるように伝えておくね!」


「ああ、よろしく頼む。」



【次の日】



白斗達5人は依頼人と会う予定の公園へと向かっていた。


「どんな人なのかな?」


「フードに鼻まで隠せるマフラーだから、見たらわかるっていってたよ。」


「そんな人いるのかな?」


その時、フードを被った人が近づいてきた。


「あの…依頼の方ですか?」


その子は想像以上に小さな女の子…正確には本当に同い年の女の子だった。


「君が指名依頼の子かな?」


「はい!そうです!」


(わお、想像以上に女の子だね…。)


「とりあえず…ここでは話しにくいので、そこのカフェで話しませんか?」


「ああ、いいぞ。」


「それでは、話しましょう。今回の依頼について。」



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次回予告

     第66話「依頼人の正体」


次回、依頼人の正体、そして依頼の全容が明らかになる。

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