平和録第5話 凛華の日常



私の1日は『忙しい』で片付けられる。


殆どが仕事、休憩もないようなものなのである。


今日はそんな私、九重凛華の帝国での1日をみていこうと思います。





私の1日は仕事から始まる。


【凛華の間】


「今日も1日が始まりますね!」


そして凛華はカチューシャと御守りを身につけた。


(このカチューシャは白斗さんに頂いたもの、この御守りもリア先輩から頂いた【アーティファクト】、どちらも大切なもの。)


「大切にしないとですね♪」


【帝国政府部隊本部・世界往来装置内】


「エリシア様!今日は何をするんですか?」


「そうね、今日はまず、【冥霊世界】第5347地域の視察をして、次に穂花や朋花、そして他の政府部隊の神々を交えた法律会議ですね。」


「【冥霊世界】…確かあらゆる世界の魂の行き着き先ですよね。」


「ええ、主の故郷である【宇宙世界】や凛華の故郷である【魔剣大陸世界】の魂が行き着く【冥界】もその一部なんですよ♪」


「なるほど!」


「そうです!それではいきましょうか。距離は大体境界まで900光年、境界から1800光年。時間は30分ほどです。」


「本当、神界にいると感覚が狂ってしまいます。」


「凛華は元人間なんだからそろそろ慣れないとやっていけないわよ。」


「そうですね。けど、次元が違いすぎて…。」


「これらは殆どが【宇宙世界】の神界のものなんですよ♪」


「進んでるんですね〜。」


「…それじゃあ凛華!その地域の情報、土地、文化、言語などをまとめておいたから見ておいてね!」


そうしてエリシアが出したのは日本でいう広辞苑の三倍程の本が15冊だった。


「わ〜お。」


「読んどんといてね〜。」


実はエリシアは帝国の中で【三大エリート】と呼ばれている程の実力者、かつ権力者であり、常人と比べると、かなり感覚が狂っているのである。



【冥霊世界第5347地域・冥星ツトウェル】


「ここが、ツトウェルですか。」


「案外王国と似てるでしょ?」


「そうですね…。」


その時、聞き取れないような声がした。


「#/#/&#/&&・÷○〆€+\#+°>○÷=÷*〆〜<*〆>「(」


「わ!?エリシア様!Bugです!」


それはとても人とは思えないような生命体であった。


「);:@/),@/?,&.).@/?;@/!,@/!.@,@/!.@:”/!.!@/」


「そう、ならここは大丈夫そうね。」


(この人、神なの?)


「わかったわ。なら私は行くわね。」



【世界往来装置内】


「あの人、どなたなんですか?」


「あの人は冥星ツタウェルの【管理神】の[ベルラム]よ。」


「Bugじゃなかったんですね…。」


この世界の神は


F級【低級神】…神といえばコレ、というような神々。神社に一体いるほどの神々。

E級【高級神】…星の中でも高位の神々。星の中でもかなりの信仰を受けている神々。

D級【管理神】…星を管理する神々。

C級【制覇神】…銀河単位を統率する神々。

B級【世界神】…一世界を統率する神々。

A級【帝国配下神】…帝国に仕える神々。

S級【帝国従属神】…帝国の中でも上位の神。

SS級【属神王】…帝国の中でも部隊を統率することもある最高峰の神々。

SSS級【星棋神】…帝国の最高権力者である神々のこと。

Z級【帝王】…帝王。文字通り帝国を支配する神。

ZZ級【天神】…詳細不明。

U級【天神王】…詳細不明。


の12段階に分かれる。



そして、【Bug】というのは、この世界のバグの集合体である【未世界】に存在する生命体である。


それらの目的は【何もない】

いや、正確に言えば【多種多様】が正しい。

時には人を襲い、時には街を襲い、時には何もしない。


だが、これだけは言える。


それらが【危険】である、ということ。

それらは【最下級】【下級】【中級】【上級】【最上級】【天級】【絶対級】の7つに分かれる。


だが、【最下級】でも【制覇神】級に相当する。


(勉強不足…言語もわからなかった…もっとしっかり勉強しないと!!)


「凛華!次の会議の資料まとめておいたから見といて!!」


その量は相変わらずの莫大な量であった。


(あ…やっぱり無理かも…。)


そうして、凛華は帝国に着くまでにその本を読み上げていった。


実は凛華も天才…。



【帝国政府部隊本部】



「おかえりなさい!凛ちゃん!」


「凛ちゃ…おかえり。」


そう出迎えてくれたのは穂花と朋花だった。


「とりあえず次の資料まとめておいたから見ておいてね。」


そう言って凛華が取り出したのは二冊のノートであった。


「かなりの量ですね…。」


「元はぶっあつい本が20冊近くあったんだから,マシな方だよ。」


「これ…まとめたの…?」


「うん、穂花と朋花もこれなら話についていけると思うからね。」


「ありがとうございます!」


「2人は護衛隊と兼務なんだから普通の仕事量じゃ本当に過労死しちゃうよ。」


「いつも…みんなが…たすけてくれる…大丈夫なの…。」


「よかったわ。それでは会議にしましょう。」


そうして会議は終了した。


「なんとかついていけました…。」


「みんな…優秀すぎ…。」


「まぁ神界TOPクラスの頭脳派を集合させた会議だからね。」


「私達も早くついて行けるようにならないと…。」


「うん…頑張る…。」


そんな会話を周りの神々が微笑ましそうに見ている。

この帝国は本当に良い世界である。



「それじゃあ、凛華。行きましょうか。」


「はい、いきましょうか!」


「ごめんなさいね、待たせちゃって。」


「いいですよ!いきましょう!」


2人ーーエリシアと凛華は今日の仕事を終えて、白斗の所に行こうとしているのである。


この2人は役職柄、白斗に会いづらい為、以前会ったのは数日前となる。


【帝王の玉座】


「あれ?玉座にはいませんでしたか…。」


「そうですね…。」


「あ!凛華ちゃん!エリシア様!どうしたの?」


「白斗様とセルア様は今いないよ〜。」


そう話しかけてきたのは、フェニカとシアだった。


「そうなのね。今はどこにいるの?」


「今は確か【セルアの間】かな?」


「確か私達の潜在能力を極限まで解放した場所だったよね。」


「うん、昨日も100回死んできたらしいから今日も同じだと思うよ。」


「2人も無理しないでね…。」


「任せてよ!」


「それでは、いきましょうか。」


【セルアの間】


「あ!いましたよ!」


「ユーアちゃんもいたんだね。」


「ん?エリシアちゃんと凛華ちゃん?どうしたの?仕事の用事?」


「ううん、仕事が早く終わったから遊びにきたの。」


「それは残念ね。今、開始3分で30回死んでるから、後少なくとも70回死ぬまでは出てこないわ。」


「どうするの?凛華?会いに行く?」


「すぐに死ぬわよ。」


「うん、だけど私もいつまでも守られるだけではいられないから。」


「おすすめしないけど〜。」


「それじゃあ行ってきます♪」


「いってらっしゃい。」


そして、凛華は白斗の所へといった。


「ねぇ、エリシアちゃん、凛華ちゃん,どれくらい強いの?」


「そうね、私でも油断したらやられるわ。」


「私の【破壊眼】にびくともしないのに?」


「ええ、【可能変換】、あの能力は強すぎるわ。気づいたら火の海よ。」


「本当に!?」


(私の【破壊眼】は破壊支配の【物質破壊】【生物破壊】【単純破壊】のうちの【生物破壊】を世界最高峰クラスで使える技。その力は目に見えたものを消す。みたら死ぬ。視界の範囲は数百キロ。逃げれない。)


「それでは、一度見てみましょうか。」


(私の破壊をどう超えてくるのか…。)


【セルアの間・戦闘空間】


(正直、会いたいって言う感情だけで入ったの。以前、セルア様と戦った時は一瞬で倒された。今回はその強化版【マスター・セルア】。勝てる見込みがしないけど…行くしかない!)


「白斗君!!」


「え?凛華?今すぐ逃げ…。」


「白斗さ〜ん!!!!!」


なんと、セルアの眼で白斗が粉々にされたのだ。


(まずいまずい!本当に一瞬だったよ!叶わないよ!どうするどうする!?まずい!こっち向いた!)


「取り敢えず、落ち着いて。無防備を保つ。」


そして、凛華の周りに緑色のオーラバリアが展開された。


(これで破壊眼は通らない。次は…。)


「【デストロイ・ディグオール】」


その攻撃で地面すらもえぐれたが、それでも凛華は無傷だった。


(守りたいって思えば思うほど弱くなる。セルア様の破壊はただ力で押し切る【単純破壊】物質のみを破壊する【物質破壊】そして生物を破壊する【生物破壊】…【生物破壊】に特化した【破壊眼】が効かなかったから他の2つでなんとか私の守備を突破しようとしてる。)


「それも、無駄だけどね。【全破壊オールダスト】」


(【全破壊】は私の能力を活かした世界最高の技、何も残さず、何も逃さず破壊する。範囲は【全世界】攻撃力も【無限】…どうなるか…。)


その時、セルアが眼鏡を外した。


「【破壊眼・真】」


【全破壊】が完全に消滅した。


「【デストロイ・フィナーレ】」


(一瞬だった。私の能力は【可能化転換】…別名【無姫】と呼ばれる力。この力はその状態から決してできないことを可能にする力。また、相手の可能を不可能にすることもできる。たとえば完全なる無防備の状態【無防備の境地】その状態に転換すると無防備故に【無敵】になる。そして無防備故に【無限】の火力を、無防備故に【全世界】の範囲で、オーラが5程度な故に【無限】のオーラで撃てる。だけど、それは【無防備】でなくなる、つまり【攻撃】や【護衛】の意識が少しでも芽生えるとき、【無敵】【無限】【範囲全世界】ではなくなる。今回はそこをつかれた。私が【攻撃】の意思を見せて【無敵】ではなくなった瞬間、砕かれた。これは実戦じゃなかったからよかった。けど、もしこれが実戦なら間違いなく死ぬ。私のオーラ量はすくない。だからこそもっと頭を使えるようにならないといけない。それが今の私の課題なのである。)



【白斗の間】


「今日は凛華ちゃんを寝かせてあげるんですね。」


「うん、起きた時1人だと悲しいだろ?」


「そうね、そういうところは優しいからね。」


「そういうところはってなんだよ。」


「まぁ災難だったわ。私の【破壊眼・真】で壊されたんだから。」


「確か、【完全破壊】の力を使うんだよね?」


「ええ、人の記憶からも消去する破壊。【記憶破壊】だけ使えなくしておいてよかったわ。」


「ああ、そろそろ時間遅いし、寝ようかな。」


「寝込み襲わないようにね。」


「粉々にされて性欲がある方がおかしいよ。」


「ふふふ。」



【数時間後】


「今日は災難だったな。」


凛華はベットの上で目を覚ました。


「あれ?ここ私の部屋じゃない?」


「すぴーーーー。」


凛華の横で白斗が寝ていたのだった。


「きゃ、」



「キャーーーーーー!!!!!!!!!!」



そして、ドアが開き、セルアが入ってきた。


「どうしたの!?凛華!?寝込み襲われた!?」


「ひ〜、白斗君が横に〜。」


「今起きたらしいです、はい。」


「なんだ、寝込み襲われたのかと。」


「セルア様、監視してたんですか?」


「え?そうなの?セルア?」


「何ですか?あてつけですか?ユーアちゃん呼びますよ?」


「呼んだ?」


上からユーアが落ちてきた。


「なんでいるの?」


「そりゃ、夫のところに凛華がお持ち帰りされたっていうならいくでしょ。」


「ちょ、語弊が!」


「それに、セルア様と同じで寝込み襲ってるのみてやろうって思ったんだよ〜。」


「私はそんなこと…帰らせてもらいます!」


「私も自分の部屋でねましゅ!」


「残念!もう部屋の鍵は閉じてきた!朝まで開かないわよ!」


「「「え!?」」」


「大丈夫よ、このベッド、頑張れば3人は入るから。」


「今4人だよ?」


「…大丈夫よ。ほらセルア様もそんな角と眼鏡しまって。」


「人の神格と制御アイテムをそんなもの扱いしないのよ、ユーア。」


「でもセルア様も白斗には素顔を見せないと。」


「ちゃんと白斗様には見せてますよ。」


「わかってるわね。」


「「白斗 (様)はギャップ萌えが好き!!」」


「死にたい。全てを分かられてる。」


「さぁ、寝ますよ!」


「ちょっ、ちょっと待って!!」



「らめーー!!!!」



その後、4人は普通に寝たとさ。


あれ〜?変な想像しちゃったかな〜?思春期だね〜w byRIA

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