第42話 ユーアの姉妹
ー白斗家ー
「凄かったね。」
リビングのソファーに座ってシアとユーア、ニア、エイトが話し合っていた。
「手も出なかったです。そして主様の圧勝でした。」
「気付いたら鳳凰が死んでた。それくらい早かった。」
「私達だったらもっと時間が掛かってた。」
「…それでも倒せる前提なのは流石ですが…。」
「まぁまぁ、反省会はそのくらいにしてさ、昼御飯にしようよ!」
「あそこまで力を見せられて凹まないのはいないと思いますよ、師匠。」
「とりあえず、主の言う通り、お昼ご飯にしましょう。皆さんもお腹空いてるでしょう?」
「空いてな…」
グ〜〜〜。
「い、ということは無いようなのでいきましょう!」
「よっし!もうすぐできるから行くよ!」
「え!?料理中にきてるんですか!?」
「魔法で作ってるから大丈夫だよ!」
「恐るべき生活魔法!」
こうして、5人はお昼ご飯を食べたとさ。
メニューはハンバーグ。
本当においしかったらしい。食べたi(´∀`(殴
…ゴホン、そういう戯言は置いておいて、話を進めようと思う。
「今日は何するの?」
そう声をあげたのはシアだった。
「修行ですか?主?」
「いや、今日はティアナード家に行こうと思うんだ。」
「実家ですか?なんで?」
「ユーア様…リア様、サクラ様、ロロ様に帰ってこい、との伝達がありまして。」
「なるほど!」
「じゃあ行こうか!」
そして数秒後…ティアナード家。
「俺の勝ちだ!!」
「負けましたか〜。」
「早すぎですよ〜。」
「魔法で転移したのより速いってどうなってるのよ?」
「ユーアの発動が遅かったってことで♪」
「いえ、あれは3秒。過去最速レベルですよ?」
「…やっぱり速すぎるのよ。貴方達。」
実は5人は家からレースをしていたのだが、勝てないと悟ったユーアとニアは転移魔法で移動したのだった。
「それじゃあ、入ろうか。」
「既に連絡は入れてあるので問題ありませんよ!」
「う〜、どんな顔して会えばいいのか…。」
「普通通りでいいと思いますよ。」
「…普通ね〜。」
そうして、5人はティアナード家長女、リア・ティアナードの所へと向かったのだった。
【リアの部屋】
「本当ッ、どのくらい心配したと思ってるのよ〜!!」
そう大きな声をあげたのはティアナード家長女であり、ティアナード家次期当主候補第1位である、リア・ティアナードだった。
「ごめんね、リア姉。」
「本当!以前あなたがきたときいたときも事後報告で貴女姿も見せなかったのよ!?」
「本当、ごめん。」
「本当、私が貴女をどれくらい心配していたか!?」
「…うん、お姉のシスコン具合は分かったけど、今は皆の前だから〜。」
「あ!」
その瞬間、リアの顔がとても赤く染まった。
「…なるほど〜かなりのシスコン姉様なのですね〜。」
「リア様、いつもは超クールなんですが、妹様方のこととなるとこうなるんですよね…。」
「…あ……あ……わぁぁぁぁーーー!!!!!!!」
そして、リアは光を放って消えた。
「おお!瞬間移動ができるのですか!?」
「うん、リア姉は【自然支配・四季夏式】を持っていて、その中でも光系の能力は世界最高峰なの!」
「因みに今のは【光速移動】といって、光の速度で移動できる技です。」
「お姉ちゃんも普段は凄いんだけどね〜。」
その時、部屋の扉が音を立てて開いた。
「…お姉ちゃん!どうしたの?凄い声だったけど!?」
「サクラ!」
「え?ユーアちゃん?」
「サクラ様、お邪魔してます。」
「ニアちゃん…あと、この人達は?」
「私のお友達!」
「ゴホッ!お友達!?」
そんな驚きに溢れた白斗を横目にサクラは自己紹介を始めた。
「…ティアナード家三女であり、ユーアとは双子の妹であるサクラ・ティアナードと申します。」
「サクラさんとユーアちゃんは双子なんだね!」
「はい!本当にいいお姉ちゃんですよ!数年帰ってこなかったことを除けば、ですけど。」
「めっちゃ根に持ってる!?」
「…あ〜、やっと落ち着いた〜。ってサクラも来てたのね。」
「あ!リアお姉ちゃん!」
ちなみに、リアは白髪、サクラは桃髪である。
「どう?馴染めたかしら?」
「うん!」
「私も、いつも通り話せて、嬉しかった!」
「…けど、ロロは〜どうかしらね〜?」
「ロロ?」
「私達の一番末の子です。」
「ロロはかな〜り怒ってたから〜少し不味いかもね〜。」
「ユ〜〜〜〜〜〜〜〜ア〜〜〜〜」
「うん?何か聞こえて…。」
「姉〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!」
少し空いていた扉から音速で少女が突入してきた。
「心配したんだよ!!本当に悲しかったんだよ!!」
「本当、ごめんね〜!!」
「もう許さないもん!!」
「え!」
そう、彼女こそがティアナード家四女兼当主第2候補であり、あらゆることをこなす天才児、ロロ・ティアナードである。
年齢は12歳、まだまだ年相応なところもあり、かなりの甘えん坊である。
「本当〜〜ごめんって〜〜〜。」
「ディナー奢ってくれる?」
(わお!我が妹ながらちゃっかりしてる!)
「いいよ〜、奢るから。」
「ふふ、なら許してあげる!」
(ほんとチョロいんだから。)
(バレバレなんだよな〜。可愛い。)
「見ててほっこりしますね〜。」
「ずっと見てたい。」
(そろそろやめないと~。)
「主!本音と建前が逆になってます!」
「このロリコンがッ」
「誰だ!今ロリコンって言ったやつ!傷ついたんだからな!ゆるさんないんだかんな!橋本○菜!……ごめんなさい〜〜〜!!!」
「あ、師匠が脱走した。」
「またですか…。」
こんな感じの平和な時間が数時間続いたとさ。
もっと見てたい!
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次回予告
第43話「後悔と希望と信頼」
ユーアが冒険者になった理由とは?
そして、白斗達は世界最高峰のサイバー設備を見学する。
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