第41話 鳳凰の威厳(平和録第3話「鳳凰の威厳」)※多少の残酷描写あり


「【風天・風車】【地天・アースウェイブ】」


ニアの放ったクナイは風と光線を帯びて鳳凰の方に向かって行った。


「な!?」


だがその攻撃はクナイごと消しとばされた。


「ニアちゃんのクナイは魔力の塊だからあの熱を突破できないんだね。」


「シアちゃんは能力、私はダンジョンの自然を使って完成することにしよう。」


「了解です!ーー行きますよ。【精霊の加護・熱の加護】【自然支配精霊式・究極なる精霊の水流】!!」


放たれた水は【精霊水】、【聖水】には劣るものの【オーラ水】よりも強い効力を持つ水だ。


ーガァァァァァァーーーーーー!!!!!!!!!!


「どうやら少しは効いてるようね。安心したわ。」


「【魔力操作奥義・オーラ操作解放】!!!」


「…!地面の中のオーラが鳳凰の下に…!?」


「【マグナ・ウェイク】!!!」


その瞬間、鳳凰の下の地面から大量の溶岩が放たれた。


「うわぁ!!」


溶岩がニアにちょくげきしたようだが、精霊の加護のお陰で無傷らしい。


「白斗様!!いつまでかかりますか!?」


「もう少しだ!あと少し粘れ!!」


「はい!」


ーガァァァァァァーーーーーーーー!!!!!!!!!!!【鳳凰の炎羽】!!!!!


鳳凰の羽が燃え、その炎が飛んできた。


「あれは…かわさない!?」


「【我の元へ帰還せよ】」


その瞬間、ニアとシアはユーアの元まで引き寄せられた。


「あれは加護をも貫通する炎、多少のダメージは受けるから気をつけて!」


「ありがと」「ありがとうございます!」


だがその間にも鳳凰は燃え、舞い、全てを消し去っていった。


「流石にもうもたない。師匠!そろそろ!」


「任せろ!行くぞ!ユーア!エイト!」


「「はい!!!」」


「【聖剣・水龍霧散】」


エイトの聖剣から【聖水】が放たれた。


「【転移結界起動】【破壊力爆大化】!!!!」

「【全ての水よ、増え、あの炎を包み込め!】」


2人の力により、聖水は多方向、超高火力、超莫大量で鳳凰を包み込んだ。


その水が消えた時には鳳凰の遺体が倒れていた。


「よっしゃ!!勝ったぞ!!」


「流石です!師匠!」


「ユーアちゃんも頑張りましたよ!」


「シアちゃんの加護あってこそじゃない!」


「だけど、ひとつだけおかしいことがある。」


「「「え?」」」


「確かにそうだな、エイト。鳳凰はオーラ水、しかも雨程度の威力ではびくともしない。それがなぜ襲いかかって来た?」


「まさか…」


「スタンピート…」


「でも前みたいな力の波動は!?」


「時がたったのです。相手にも強力な実力者がいる以上、間違いなく【悪栄教】の仕業と考えていいでしょう。」


「感情系能力と考えるのが的確だろうか。」


「鳳凰を従える程の実力者…。」


「…それに、この鳳凰はまだやれる様だ。」


ーよく気づいたな、小僧。


そう口を開いたのは先程とは見違えるような力を持つ鳳凰であった。


ー先程は能力を喰らってしまったが、今度は勝てる。


「そうか、それがどうした?ここのメンバーはお前程度には負けんぞ?」


ー我相手にそこまで言うか、ならそれを証明してみせよ。最初の一手で見せてくれるか?


「なら、行かせてもらう。【絶気剣】」


その瞬間、白斗の手から神々しい光が放たれ、白く輝く剣が現れた。


「絶気剣……時間、空間、次元、自然、神の能力、全てを超越する剣、これ一本、この一閃であらゆるものを支配する。これに耐えられるかな?【時空魔法・時間停止】。この一言で時間が止まる、魔法とは面白いものだ。まぁ、聞こえてないんだろうが。…【時空の太刀・時空断裂】。時間と空間…つまり時空、これを破壊すると時空エネルギーが具現化する。そして、その全てを超越する俺の剣は、そのエネルギーすらも支配する。」


そして絶気剣にエネルギーが溜まり始めた。


「そのエネルギーをひとつに集中させ、撃つ。喰らえ、【時空の太刀・時空断裂一閃】……時よ動き始めよ。」


「ぐはっ!!!!?」


その瞬間、鳳凰の体は真っ二つに割れていた。


「いくら【不死不老】を持つ鳳凰であっても、この痛みには耐えられんだろう?」


「黙れ!【復活の焔】」


「師匠…これだとまた復活されて…!?」


「そんなわけないだろう?ここは既に俺のテリトリー、自然の時間を止めることだって可能だろ?」


「…そんな…馬鹿な…。」


「鳳凰は魂本体に聖水をかけることで一時的に機能停止を起こす。さぁ、もう終わらせよう。」


「…や…やめ…。」


「少し頭を冷やしてこい、鳳凰。」


白斗は鳳凰の核に聖水をかけた。


「魔法とは本当に楽なものだ。」


「グワァァァーーーー!!!!?この妾が!?鳳凰最強と呼ばれる妾がーーー!!!?」


「残念だったな、お前の政権は終了だ。お前には既に威厳などは存在しない。」


「そ、そんなーーーーーー!!!!!!!!!」


「は、哀れな者だ。」


こうして鳳凰との忌々しき戦いは終焉を迎えたのであった。




※本編終了

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平和録第3話 「鳳凰の威厳」


時系列・白斗、初回鳳凰撃破時



ーガァァァァァァーーーーー!!!!


「普通は喋ると聞いていたから楽しみにしてたけど、大したことないみたいだね。」


ーどうやら幼少時みたいですね。


「コイツを殺すのは気がひけるがしょうがない。」


ークピ?


「一瞬で殺す。」


ークピ!?


そうしてその後、鳳凰もどきがグチャグチャに解体させたものが発見されたらしい。


本人によると、


「魂の核がどこかわからなくて…」


だそうだ。


ちなみに白斗はこの時時空停止を満足に使えなかったので、解剖中に鳳凰が目覚めたということは秘密にしておこうと思う。



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次回予告

      第42話「ユーアの姉妹」


ユーアの姉妹、三人が初登場予定!

次回は平和回なので悪しからず。

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