第40話 鳳凰山での実力テスト(平和録第2話「能力と波動」あり)
「ダンジョンに潜ろうか。」
白斗は朝食の時にそう言いだしたのだった。
「ダンジョン…【空島の地下】のこと?」
「ああ、今回は第二層に潜ろうと思う。」
「ニアさんも入ったことですし、いいと思いますよ。」
「…因みに難易度は?」
「通常でSS級、前回はスタンピートを起こしてSSS級にまでなってたかしら?」
「え!?」
「まぁ、今回は大丈夫だろ!」
「…嫌な予感が…。」
そのニアの嫌な予感が命中するとは白斗は一切考えていなかったのだった。
【SS級ダンジョン・空島の地下・第二層・鳳凰山】
「こんなダンジョンが…あるんですね…。」
第一層が目の見えない奥まで広がっていたことに対し、この第二層は層全てが大きな一つの火山で構成されていた。
「…あれが…鳳凰山。」
「ユーアも始めてか。ここはそこら辺に【サラマンダー・ソテア】【ノーミード・ティナス】が、ボスは【鳳凰】だ。」
「前者二つもS級…鳳凰はSS級じゃないですか!?」
「だけどどのモンスターにも弱点はあります。そこをつければ、E級とも変わりません。」
「そんなセリフ、一度は行ってみたいです…。」
その時,前からカサカサという音がした。
「皆、来たよ。一応集中して。」
そこにいたのは【サラマンダー・ソテア】と【ノーミード・ディナス】。
「サラマンダー・ソテアは水。ノーミード・ディナスは雷が弱点です。」
「私がいきます!【水天・水切乱舞】【雷天・晴天の霹靂】!」
ニアが放った2本のクナイはしっかりと相手を貫いた。
「場所もぴったりだな。流石だ。」
「…そんなことないですよ…。」
ニアが少し恥ずかしそうにいう。
「次は私ね!【降り注げーー最大で最高の雨よ!】」
黒煙で覆われた空から水が滴り落ちてきた。
そしてそのオーラが込められた雨により、【サラマンダー・ソテア】【ノーミード・ディナス】は絶命した。
「このクラスの雨…それもオーラを込めたもの。【災害級魔法・永遠不滅の雨】と同クラス!?」
「これで雑魚は殲滅。あとは…」
ーガァァァァァァーーーーーー!!!!!!!
ここからかなり遠く…鳳凰山の頂上から大きな大きな鳴き声がした。
「…!皆さん!鳳凰が近づいてきています!」
「少しは楽しませてくれよ…鳳凰。」
そして鳳凰が姿を表せたのだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
一旦平和録!本編はまだ続きます!
平和録 第2話「能力と波動」
時系列・第40話前
「そういえばユーア様の【思想現実】は【特殊能力ユニークスキル】ですが、シアさんのスキルは何なのですか?」
そう疑問に思ったニアはシアに聞いていたのだった。
「スキルですか。【精霊神】ですよ〜。」
「精霊神!?【神話級能力(ゴッドスキル)】!?」
「まぁ、私神ですし。」
「…あ、たしかに。」
「でもニアちゃんの【魔力操作】も結構役立つんじゃないんですか?」
「私は主に魔力をクナイにすることしかないですね。そもそも魔力を使う人が少ないんですよ。」
「確か、オーラは【魔】【霊】【神】【鬼】【妖】【星】【特殊】に分かれて、【霊】と【神】の使い手が多いんですよね?」
「【魔】を使うのは【魔女】や【魔法使い】そして【悪魔界】の力を使う人たちだけ。そもそも【魔女】ですら能力者の千人に1人くらいなんですよ。」
「よく知ってますね〜。」
「私は【世界能力・波動研究機関】に入ってましたから。」
「何ですか?それ?」
「その名の通り世界のスキルとオーラを研究する機関ですよ。私は【能力研究】がメインでしたが、オーラに関しても少しは知っています。」
「能力研究って何をするの?」
「基本的には未発見の能力の研究、魔道具作成、能力のレベル分けですかね?」
「レベル分け?能力には位があるの?」
「はい。能力は…」
レベル1〜レベル4の普通級
レベル5〜レベル7の英雄級
レベル8〜レベル10の天災級
そして
レベル11 神話級
の11個に分けられるんです。
基準は「汎用性」「技術力」など様々です。
因みに【全知全能】と【精霊神】はレベル11、【魔法支配】【思想現実】はレベル10、【魔力操作】はレベル9とされています。
また、それとは別に能力は、1人しか持つことのない【特殊能力(ユニークスキル)】と【汎用能力(マルチスキル)】、そして一点だけに特化した【特化能力(スペシャルスキル)】、複数人が持つ【準特殊能力(サブスキル)】の4つに分かれています。
基本的に【〜支配】【〜操作】は【汎用】。
名前が文章になっているのは【特化】。
他はものによって分かれています。
「といった感じでしょうか?」
「なるほど〜。これは神界の【能力神辞典】の抜粋かな?」
「確か何かの書からの物だと…。」
(成程、書をもらった転生者が書いたものですね。かなり古いみたい。詳しい情報は消えてるらしいからね。)
「全知全能の神が書いた本だった気がします。私も読んだことがありますから。」
「そうなんだ!ってことはこの情報は正しいってことだ!」
「まぁ、分かるのに正しいも間違いもないと思いますけどね。」
「神界と同じってだけで嬉しいから。」
「ふふふ,そういうものなんですかね?」
どうやらニアは神界の情報に興味津々らしい。
けれど基本的に神界の情報を教えることはダメなこと、それだけはとても悲しいことだ。
そうシアは思っていたのだった。
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そして本編に戻る。
ーグワァァァァァァーーーーー!!!!!!!!!
「あれは相当お怒りだね。」
「どうする?ただの水では効かないよね?」
「ああ、普通はオーラを込めた水だが、あれは…」
【鳳凰の火衣】
「鳳凰の最高峰の炎の衣…あれを解くには【聖水】が必要。」
「…聖水は流石にユーア様でも…」
「多分その量だとオーラは枯れるからこの気候に耐えられないかな。」
「ああ、ここは地味にオーラによる気候管理が必要だからな。」
実はここら辺は80℃程の熱で囲まれているため、オーラの膜で普通の気温を保つ必要があるのだ。
「僕ならいけますよ?」
「本当か、エイト?」
「はい、聖剣から水を出せば、聖水になりますから。ですが,量は出ません。」
「それなら拡大魔法と増大魔法、転移魔法で解決できるな。」
「それなら私でも大丈夫です。ニアとシアは鳳凰の気を引いてね。」
「「了解」」
「じゃあ俺らも準備するぞ。エイトは全力で聖水を出せ。」
「わかりました。任せて下さい。」
「それじゃあ作戦スタートだ!」
火の粉が飛び違う中、鳳凰の怒りを止める決戦が始まったのだった。
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次回予告
第41話「鳳凰の威厳」
何故鳳凰は急に怒りだしたのか?そして鳳凰本来の実力とは?
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