第35話 運命の出会い


「よ〜し!依頼終了だ!」


白斗達4人は市役所に【賢者の石】を預け、ピグリスのメインストリートに来ていた。


「あとは帰って、ピクニックですね!」


「本当、会わなくてよかった〜。もう早く帰りましょう!」


「そうですね!けど少し街を見ていってもいいですか?」


「いいんじゃないかな?やることもないし。」


「白斗様はピクニックから逃げたいだけですよね。」


「本当、勘のいい従属はキライだよ。」


「な!?白斗様!?」


「これは嘘よ。」


「安心して下さい。」


「う〜、酷いです〜。」


「はは、騙される方が悪いんだ!」


そんな話をしながら、4人は通りに出た屋台を回っていた。

買い物を少ししていた時だった。


「あれ?ユーア様?」


その声の持ち主は青い髪と青い眼を持った女性だった。年齢はユーアと同じくらいだろうか?


「え?ニア?何でここに?」


「ユーア様!!逃しませんよ!!」


「師匠!不味いです!逃げましょう!」


「え?どういう事だ?」


「早く!」


そう急かされて俺とユーアは青い女性から逃げ回っていた。


「ユーア、あれ誰だ?」


「あの娘はニア・ナイティカル、私の護衛です。」


「え?護衛さんから逃げるの?」


「あの子は不味い!本当に不味い!家族に会うより不味い!本当にヤバい!」


その後ろの娘……ニアは大声で話しかけて来た。


「ユーア様!!止まってください!!っていうかその人誰ですか?まさか、その男に唆されて!?」


「この人は私の師匠!!師匠を悪くいうな!ガキ!」


「な!?ガキ!?そんなはしたない言葉言ってはいけません!」


「成る程、ヤバいのはわかった。」


「でしょ!」


「だが,お前は絶対に家族のところに行かないからな,強制的に言ってもらう。」


そう言うと俺はユーアを抱えて,ニアに突き出した。


「え?」


「師匠!!!!」


「コイツを頼む。」


「「は〜〜〜〜!!!!!!!!!?」」


そんな大声が街中に広まった。


《ピグリスのあるカフェ》


「なるほど,貴方は冒険者となったユーア様を救って、育ててくれたと。」


「ああ,そうだな。」


「ユーア様もそれでOKですか?」


「うん。それにね、私、SS級冒険者なんだよ!」


「知ってます。ですが,神出鬼没と聞いて場所が掴めていなかったんです。」


「ってことは行ってもいい?」


「ダメですよ。流石に一度は家に帰って、お父様にお会い下さい。」


「嫌だ!」


「これは推奨ではありません。命令です。」


「な!?師匠!助けて…。」


「これは弟子の成長に繋がる。よって俺からも命令する。」


「え!?守るって。」


「それはそれ,これはこれだ。それに今回はユーアが悪い。だが,俺も弟子を守る務めがある。ニア、俺…いや、俺のパーティーで行かせてくれるならいい。」


「どうしましょうか。私に課された命令はユーア様の帰還、それに相手は史上最速SS級冒険者4人…いいでしょう、同行を許可します。」


「君が決めてもいいのか?」


「私はこれでもティアナード家の中でも地位は高いですから。」


「なら行こうか、ユーア。」


「嫌〜〜〜!!!!!!」


こうして俺達は明日、ユーアの実家にお邪魔することになった。




               To be continued

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


次回予告

     第36話「ティアナード」


白斗とエイトとシアは(半ば強制的に)ユーアを連れて、ユーアの実家、ティアナード家に訪問する。

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